5年生の社会科は「産業」という枠組みで捉えていく視点をもつと、子どもたちが見方・考え方も働かせやすくなり、社会認識も深くなると考える。
5年生の社会科は「産業」という枠組みで捉えていく視点をもつと、子どもたちが見方・考え方も働かせやすくなり、社会認識も深くなると考える。
森信三の『終身教授録』に影響を受けた人は多いでしょう。
その森信三が「わたくしをしてその生涯を決定せしめた書物」と言わしめた書が『学校教師論』。
1917年、三浦修吾著、内外教育評論社より刊行された一冊です。
1975年に教育の名著シリーズとして玉川大学出版部より復刻出版されています。
森信三が「思想的系譜をたずねるとすれば、三浦修吾と芦田恵之助だ」と述べています。
その三浦修吾の言葉
「教育は、たんに現在の子どもたちのことばかりでなく、他面、将来のための種子蒔き的な一面がなければならぬ」
に対して森信三は応えます。
「一つ一つの教育的実践の中に内包せられるわれわれ教師の想念は、つねに未来への展望を秘め、民族、さらには人類の前途を想望しつつ、わが教え子たちの一人ひとりの未来像が、そのような未来的展望を背景としつつ、つねにその心の中に想い描かれているでなくてはなるまい。」
その子の「今」に全力を傾け、誠実に向き合うことはもちろん大切です。
それと共に、その子の10年、20年先のことを心に留めながらその子の「今」と関わっていきたいものです。
〈参考文献〉
森信三(1962)『教育的実践の基本問題』実践社
「子どもたちは作文がなぜ嫌いか?」
どの時代の書を読んでも多くの確率で目にする言葉です。
書くことは創造的活動で楽しいものであるはずのに…。
書くことがたんなる「作業」、さらに言えば「苦行」になっているのではないかと感じます。
書くこと(作文)が「たいそうなもの」「仰々しいもの」という捉えが大きいのかもしれません。
「作文=長作文」という意識を拭っていくことも必要だと考えます。
藤原与一(1965)が提唱したように、日常生活のあらゆる機会と場を生かして気軽に書くことを大切にしたいです。
もっと気軽に、もっと気楽に、書くことをあたりまえに。
そして、当たり前に書くことに少しの意味づけを。
それが「+α」の視点です。
ICT端末を使えば、「書く+α」が容易にできます。
例えば、写真を入れたり、書いたものと書いたものをくっつけたり、リンクを貼り付けたり。
その「+α」にその子特有の見方や考え方、教科特有の見方や考え方をミックスしていきたいです。
書くということを気軽に、気楽に、そしてその子らしく表現できるようにするツールがICT端末。
「こうあるべき」をとっぱらって、柔軟に創造的活動が可能になります。
書くことに対する物理的なハードルはもちろん、心理的なハードルを下げるツールとして考えられます。
今、子どもが楽しんで書き、伸び伸びと表現することへの関心が強いです。
書くことは、その子の表現です。
子どもが表現するようになると、子どもを見取りやすくなります。
その子の世界に迫りやすくなります。
書くことが身近に感じられるようになると、その子の「豊かさ」がより表出されるようになります。
書くことはその子の表現であり、その子の表現は、その子の生きる喜びだと感じています。
子どもと共に「その子」の「表現」を味わい合いたいです。
〈参考文献〉
藤原与一(1965)『国語教育の技術と精神』新光閣書店
さて、どっち?
先日、UDLに関する勉強会を行いました。
そもそも、「個別最適な学びとUDLの違いってなんだろう?」という僕の問題意識からはじまった企画でした。
その会を経て、再度色々と調べたり考えたりしてみました。
令和3年3月に文部科学省から出された「学習指導要領の趣旨の実現に向けた個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に関する参考資料」には、次のように記されています。
「学習指導要領において示された資質・能力の育成を着実に進めることが重要であり、そのためには、新たな学校における基盤的なツールとなるICTも最大限活用しながら、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく育成する『個別最適な学び』と、子供たちの多様な個性を最大限に生かす『協働的な学び』の一体的な充実が図られることが求められているとされています。また、その際にはカリキュラム・マネジメントの取り組みを一層進めることが重要とされています。」
「個別最適な学びについて、指導の個別化と学習の個性化に整理されていて、生徒が自己調整しながら学習を進めていくことができるようにする。」
このあたりが、
・多様な子どもが存在するのが当たり前
・カリキュラムに障害がある
・「自己調整」を重要視する
というUDLの考え方と合致してくるなと感じました。
親和性の高さを感じます。
じゃあ、違いは何なのか?
会の参加者から、
・最終的なゴールに少し違いがある
・個別最適化が後出し、UDLは先出しのような感じ
・UDLの方がより系統性がある
・UDLを推進している方々は、よりダイナミックにやっている印象がある
などのご意見もいただきながら、ふぅ~む…と考えている所です。
UDLが、脳科学、学習科学、発達心理学、神経心理学等の科学的なエビデンスに基づいて開発されている点は、ひとつのポイントになりそうです。
とりあえず、この3つだけでも意識したいものです。
【見学の事前指導の基礎基本】
〇できるだけたくさんの情報を与える。
〇事前に徹底して調べさせる。
〇見学先への情報が集まれば集まるほど、見学先への興味がわいてくる。
〇「見なくてはわからない」状態にしておく。
【見学メモのとらせ方】
〇ノート+鉛筆2本+下敷き。
〇目についたものすべてをメモさせる。
「〜の工夫を見つけてきなさい」は×。メモの数が激減する。
見学前に番号を書かせておく。
〇メモは箇条書きで書かせる。
〇聞いたことすべてを記録する。特に数字は重要。臭いや音等の五感も。
【見学後】
〇授業のねらいに即して整理させる。情報の絞り込み。情報は整理してはじめて価値をもつ。
(例)メモの中から売るための工夫を見つけて○をつけなさい
次に、売るための工夫で特に大切だと思う5つに赤で○をつけます
〇比較・関連づけ総合しながら再構成する。
【見学のまとめ】
〇フォーマットは与えておく
(例)〇月〇日消防署を見学しました。ここでは、火事を早く消したり、人を助けたりするためにたくさんの工夫をしていました。
一つ目は〜。二つめは〜。
私は、消防署を見学して(学びや感想)
まずは教師が目的を明確にすることです。
そして、子どもたち自身が「何のために見学に行っているか」は常に意識させたいですね。
学習中のどのタイミングで行くのかを考える事も大切です。
導入で問いをもたせるために行くのか。
追究段階で問いの解決のために行くのか。
まとめで確認のために行くのか。
しっかりと学習計画を立てて、その中のどこに位置づけるのか考えておくことが大切です。それによって子どもたちに意識させるポイントも変わってきます。
見学時にインタビューをさせていただくこともよくあります。
インタビューをするときは何でも訊くのではなく、自分たちで調べてもわからなかったことをまとめて訊くなどの工夫が必要です。
インタビューの中で、「きっかけ」「くろう」「よろこび」等を中心に訊くことが多いです。
また、見学メモをとるときは、事前にメモしそうなことを予め書いておくとスムーズにメモできます。
事前にメモをとりそうなことを予測しておくということですね。
見学時も大切ですが、事前と事後の活動も見通しをもってやはり意識させたいものです。
あと、マナーや礼儀の指導です。
見学場だけでなく、道中もすべてあくまでも「公共の場」であるという公の意識をもたせることが大切です。
公の意識をもった行動を意識させることです。