社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

11 3.11の社会科授業

3.11になりました。

5年生担任の時は、その日に授業を行っていました。

以下、授業の詳細です。

 

【ねらい】

「釜石の奇跡」について調べることを通して、減災することの大切さを考えることができる。

※校舎につきささる車の画像提示

「え、何これ?」

「わかった。津波で流されたんだ」

東日本大震災

『そうです。東日本大震災釜石市という場所です』

※地図帳で検索

『当時の様子を見てみましょう』

※釜石の津波動画視聴

「すさまじいな…」

『すごい規模の津波ですよね。過去にも大きな地震がありました』

津波の生存率比較提示

明治三陸津波(1896年)

釜石市民の生存率38.1%

東日本大震災(2011年)

釜石市民の生存率97%

釜石市の小中学生は約3000人いますが、全員避難に成功しました。「釜石の奇跡」と呼ばれています』

『なぜ、「奇跡」と呼ばれる避難ができたと思いますか?』

「日頃から訓練していた」

「前の津波を教訓にして対策を立てた」

「普段から気をつけていた」

「昔からの教えを守った」

「避難場所をしっかりと確認していた」

「協力して逃げた」

『今から3つ資料を見せます。その資料から考えなさい』

津波防波堤シミュレーション提示

「防波堤があったから津波到達を6分遅らせられたんだ」

津波の高さも13mから8mになっている」

『世界一の防波堤と呼ばれ、工期31年、工費約1200億円かかりました』

※釜石の小中学校の避難様子提示

『何をしているところですか?』

「訓練?」

『実際の震災時の様子です。この避難の仕方、特徴があります。どこだと思いますか?』

「きちんと列になっている」

「中学生と小学生が手をつないでいる」

『なぜこのような避難ができたと思いますか?』

「ちゃんと訓練していた」

「小学校と中学校が協力していた」

※釜石震災当時の様子プリント配付

津波てんでんこ、各自でそれぞれ逃げなさいということか」

「言い伝えみたいなことだね」

『それぞれ「公助」「共助」「自助」といいます。世界一の防波堤をもってしても完全に災害を防ぐことはできない。だから今、防災という考えよりも減災という考え方になってきたのですね。「自助」「共助」がこれからより大切になります』

〈ふり返り〉

減災のために大切なことは〜だ。

私は〜。

授業の最後、またはその日のうちに「ハッピーバースデイ3.11」を見せます。 

ハッピーバースデイ 3.11 Full Ver. /日本ユニセフ協会

 命の話をし、命を守るために学ぶことの大切さを伝えます。

授業を通して、災害についての認識を深め、命について考えてほしいものです。

5年生担任でなくても、考えさせる時間をとりたいと今年も思っています。

 

僕たち教師が「その日」にできることは、やっぱり授業なんです。