「フィールドワーク」とは、新村出編『広辞苑』(岩波書店)によると、
フィールドワーク (1)野外あるいは実験室外の作業・仕事・研究。
野外研究。
(2)現場または現地での探訪・採集。実地調査。
とされています。
僕が行うフィールドワークは(2)の意味が強いです。
なぜフィールドワークを好むかという理由はいくつかあります。
まず、実際に行ってみなければわからないことが多いからです。
そして、現地でしか味わえない空気感、存在感があるからです。
自分自身がフィールドワークをしてきて感じた大きな意味について述べていきます。
まず1つ目は、「情報収集」が多くできることです。しかし、様々な情報を集めるだけではだめです。情報を集め、思考を通すことで整理され、知識となります。またさらに新たな情報を得ることで知識の幅も広がります。フィールドワークを行うことは自分自身の知識を豊かにすることにほかなりません。
また、普段、あちこちに転がっている情報にも敏感になります。すると、様々な情報が自然と目に入るようになります。情報を探すアンテナが研ぎ澄まされていくのでしょう。
2つ目は、「問い」を設けることができることです。行けばわかることがたくさんあります。と同時にわからなくなることも出てきます。自分自身の中に新たな「問い」が設けられるということです。行くことでさらに調べたい意欲が沸き起こります。自分自身の「知っているつもり」を覆すことができます。常に「なぜだろう?」と思える感覚をもつことは、現地にいくことで磨かれます。学びは「問い」をもつことからはじまります。
3つ目は、「新鮮な感動」を得ることができます。そこには「ホンモノ」があるからです。人、もの、こと、様々ですが、「ホンモノ」に触れると心が揺さぶられます。「おもしろい」「きれい」「すごい」などの感覚を大切にしたいものです。
また、行くことでとにかくワクワクするものです。自分が思っていた通りであればそれはそれで感動します。自分の想像とのズレがあればまたそれはそれで面白みがあるというものです。
市川建夫氏は『フィールドワーク入門 地域調査のすすめ』1985(古今書院)の中で「問題意識を常にもって、どこへ行っても同一課を調査していると、国内の地域対比ができるばかりか、やがて諸外国との比較研究も可能になる。」と述べています。そして、「地理学を勉強すると、人生は二倍楽しくなる」とも。
体験は理解の幅を広げ、その深さを増してくれます。見ていないこと、体験していないことを語るのではなく、まず行って体験すること。
現地主義を貫きたいものです。