社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

74 なぜ話し合うのか?

【何のために学級会をするのか】

それを子どもたちにしっかりと伝えなければいけません。

・決して遊びの時間ではない。

・みんながより仲良くなるための時間

・みんなで考え、みんなでひとつの目標に向かうことによって学級を高めるための時間

・ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために考える時間

・自分たちで考え、自分たちでつくっていくみんなの時間(自治的諸活動の範囲内)

・折り合いをつけ、みんなで問題を解決していく時間

といったことを子どもたちに必ず伝えます。

 

【学級会の名前】

学級会の名前を決めます。

例えば、学級目標が「笑顔と勇気あふれるTEAM5−1」であれば、学級会の名前は「TEAMミーティング28」などでもいいでしょう。

子どもたちと話し合いながら決めます。

自分たちで決めたネーミングなので愛着もわきます。

こういう「自分たちでやっています感」はとても大切だと思います。

 

【何のためにわざわざ話し合うか】

毎回の学級会で何を大切に話し合っているのか。

そこで重要なのが「提案理由」です。

提案理由が「バレーをしたら楽しいから」では、弱過ぎます。

「苦手な子も楽しめるようなルールを工夫し、チームで協力してバレーをしたら、クラスの仲も深まるから。」

といったように、しっかりと意味を持たさなければいけません。

話し合いのすべての拠となります。

そうすると、

「クラスの仲を深めるためにチームで協力し、苦手な子のことを考えたルールを出し合う話し合い」

になるはずです。

提案理由からそれた話し合いになってはいけません。

また、話がそれたら提案理由に戻ってきましょう。

 

【やさしい時間に】

 数年前の話です。

心臓病でペースメーカーをつけている子を担任しました。

胸に強い衝撃があるといけません。

周りの子たちは気を配っていました。

この子自身は、とても元気で、果敢に色々とやりたい子なのです。

そのことも周りの子はよく知っています。

 例えば、ドッジボールといった類いの議題であれば、そのまましていてはその子には危険なのでできません。

ではやめて違う議題にしてしまえばいい。

でも、やめてしまうことでその子が気をつかうのも知っています。

だから、常にその子が活動できるように工夫をしていました。

その子のことをよく知り、気をつかいすぎるのが優しさでもないことを理解し、ベターな方法を考えて話し合いをしていました。

「ポートボールやバスケットボールなどでは、ボールを柔らかく大きいものにする。」

「野球などでは、デッドボールがないように、ピッチャーなしのティーバッティングにする。」など…。

それが「当たり前」になっていました。

 初任の頃、正直話し合い活動をほとんどしていませんでした。

「話し合う時間がもったいない。実践活動してたら仲良くなるやん!」

ずっと思っていました。

だから、活動に「工夫」がありませんでした。

「すべての子が楽しめる工夫」

「苦手な子が楽しめる工夫」

です。

この「工夫」を考えることが、自分だけでなく、周りに心を向けるやさしさの時間となり、あったか〜い雰囲気、あったか〜い空気をつくりだします。

 何となくの学活ではなく、一人ひとりが大切にされ、だれ一人不幸にすることのない学活•特別活動にしていきたいものです。

 

 優しく、心大きく、自立した子どもたちに育ってほしいです。

 

f:id:yohhoi:20190417212454j:plain

過去の学級通信の一部分