【忘れられない日】
人には忘れられない日というものがそれぞれ必ずあります。
私にとって今日の4月25日はその日。
会えるはずだった会いたい人に会えなかった日。
朝、子どもたちにこんな話をしました。
「一期一会」
この言葉が好きな人も多いのではないでしょうか。
「一期一会」どういう意味か分かりますか?
「初めて会う人だけでなく、毎日会う人や度々会う人にも、今日が最期と思い、その瞬間瞬間を大切にすること」といった意味があります。
4月になって新しい出会いがたくさんあったと思います。
新しい先生、友だち、たくさんの出会いに恵まれました。ドキドキワクワクしているでしょう。新しいクラスにも慣れてきた頃ではないかと思います。私事になりますが、今から14年前の2005年8月に私は結婚しました。結婚が決まってから私は会いたいと思う人がたくさんできました。妻の友人であったり親戚であったり…。妻からいろんな人の話を聞きました。その中にKさんという女性がいました。妻のいとこです。当時19歳、大学の2回生でした。大学生の学内でバンドを組んでギターを担当したり、文化祭の実行委員になったり、大学生活を豊かに楽しんでいました。
そのKさんが結婚式の時に私に会うことをすごく楽しみにしていると妻からよく聞いていました。「◯◯ちゃん(妻)の旦那さんに早くあいたいなぁ」「どんな人なんだろうなぁ」などとずっと言ってくれていたそうです。
私も本当に楽しみにしていました。結婚式の日に会えるのを私も心より楽しみにしていました。
しかし…。 会うことができませんでした。
今日から14年前の2005年4月25日9時18分、悲劇が起こりました。JR福知山線脱線事故です。その車両にKさんは乗っていました。帰らぬ人となってしまいました。
私が会ったのは、写真の中のKさんだけでした。
ふっくらなほっぺたに綺麗な眼をしたKさんがそこにはいました。写真の周りには大好きなギターと大好きなディズニーグッズ、そしてたくさんのお花とたくさんの友だちからの手紙がありました。
本当にショックでした。そして後悔しました。この日までに会いに行けばよかった。会うべきだったんだ…と。会いたかった。でも、会いたくてもこれからずっと会うこともできません。
「一期一会」
この時からこの言葉が深く深く胸に残るようになりました。
「出会い」は必然なのかもしれません。しかし、出会いたいと思っていても出会えないこともあるのです。
私は会いたいと思っていても会えませんでした。ですから、私は「出会えている」という事実は奇跡だと思っています。
だからこそ、今、新しい「出会い」ができたことに感謝してほしいと思うし、そのひとときひとときを大切にしてほしい。「大切にする」ということは、いつも「いてくれてありがとう」の気持ちを持ち続けることなのだと思います。
人は慣れてくると何でも「当たり前」になってきます。出会いが当たり前に感じたときにこそ、あなたの近くにいる人たち、その出会いに感謝し、その人たちとの日々を大切に過ごしてほしいと思っています。
私も常に、あなたたちとの出会いを大切に、「一期一会」を大切にしたいです。
出会えていることに感謝して、日々を過ごしたいと思います。