溝上泰氏(1980)は、教科書を十分に活用し、授業に生かし、社会科のねらいを効果的に達成するための留意点として以下の4点を挙げています。
① 社会科の教科書の性格の理解 ② 何のために教科書を使うのか ③ だれが教科書を活用するのか ④ どのような場面で教科書を活用するのか |
①社会科の教科書の性格
・教科書は教育課程の基準の改善の趣旨に沿って学習指導要領に示された社会科の目標や理念を具体的に示した内容で構成されている。
・複数の教科書会社が存在するが、いずれの教科書も記述された内容が同一ではなく、それぞれの特色が見られる。
②何のために教科書を使うのか
・教科書を教材として活用し、社会科のねらいを達成させるため。
・掲載されている文章や資料のみが教材になり得るとは考えられないが、教科書は学習指導要領の目標や内容を具体的化している。
③だれが教科書を活用するのか
・子どもが教科書を効果的に活用することを目指す。
・教師は子どもが教科書を活用できるようになるために、教科書を研究、分析しなければならない。
④どのような場面で教科書を活用するのか
〇教師が活用する場面
・本時の授業案を計画するとき
・単元の構成を組織するとき
〇子どもが活用する場面
・授業の中での活用
・授業の外での活用
以上①〜④の留意点を踏まえながら、「教師による教科書活用」、「子どもによる教科書活用」について考えていきたいものです。
【参考文献】
溝上泰(1980): 教科書の上手な活用法・そのポイントはどこか. 社会科教育, 12月号, 明治図書出版, pp.25-pp33