社会のタネ

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479 子どもの教科書活用の視点      

 子どもたちが教科書を活用する際の視点として以下の4点が考えられます。

①   興味関心や「問い」を引き出す

②   学び方を取り出す

③   自分の考えの理由づけをする

④   まとめや表現活動の参考にする

 

興味関心や「問い」を引き出す

 教科書の各単元末には「広げる」「いかす」といったコーナーがあります。

子どもたちが興味関心を広げて追究できるきっかけとなる内容になっています。

その他、教科書の中には、厳選された文章と資料が掲示されています。

子どもがそれらを読んだり見たりすることで、自分の興味あるものを発見し、追究しようする態度を育てることができます。

授業で学習している場面だけを使用させるのではなく、一つの資料集的な感覚として捉えさせる必要があります。

子どもたちが自由に教科書を開きたいと思えるようなきっかけをつくることが大切です。

また、どの教科書にも「単元の問い」と「本時の問い」が記載されています。

この「問い」に対する答えが本時や単元で獲得させたい学習内容とも言えます。

「問い」が教科書内に記載されている ことを確認し、着目させるようにします。

子どもたちが「問い」を意識して教科書を活用できるようになります。

教科書内にはキャラクターが登場します。

キャラクターが発するセリフはけっして意味のない勝手な内容をしゃべっているわけではありません。

「問い」に対する予想であったり、学習内容であったりすることが多いです。

これらも十分に参考にすることができます。

 

学び方を取り出す

 「やってみよう」「学びのてびき」「学び方コーナー」「調べること」等、教科書会社によって表記の仕方は様々ですが、そこには子どもたちが学習する方法や子どもたちの学び方が記載されています。

例えば、予想の仕方、情報の集め方、調べ方、表現の仕方などです。

子どもたちがこれらに着目し、学び方を取り出すことで、子どもたちが自らの学びを進められるようになります。

 

自分の考えの理由づけをする

 授業の中では、子どもたちが自分の考えを発言する場面があります。

その際、自分の考えの根拠を示して発言することが重要です。

その自分の考えの理由づけとして教科書を大いに活用することができます。

教科書を使い、「教科書の何頁か」「どの文章、どの資料か」「どのようなことが書いてあるか」「自分はどういう考えか」を明確にして発言することが大切です。

それらを意識させるために、子どもの発言に対して教師が常に問い返すことを意識したいです。

「その考えはどこを根拠にしているのですか?」

「何頁のどの部分に書いてあるかみんなにも説明してください」

等です。

教科書を根拠とするため、教科書の情報を整理する技能、記述内容を読み取る技能、資料を必要に応じて選択する技能が必要となります。

 

まとめや表現活動の参考にする

 単元の最後には学習のまとめ方や学習問題のふり返り方が記載されています。

例えば、関係図に表したり新聞を作ったり、キャッチコピーにしたりと、その方法は様々です。

まとめ方が記載されている部分だけを抜き出して子どもたちに教科書を確認させます。

そうすることで子どもたちはまとめ方について様々の方法があることを知り、まとめや表現活動の参考にすることができます。

 

 また、教科書の冒頭を見ると、目次、教科を学ぶ意味、学び方、単元や授業の学習展開 パターン、教科書の構成の趣旨や使い方などが図解されています。

これらを確認することで、教科書を活用する視点を俯瞰的に捉えることができます。