社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

624 憲法を身近に

6年生の学習は、次のように「憲法の学習」から入ります。

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しかし、子どもたちにとって、自分たちの生活と憲法とのつながりはなかなか見えません。

子どもたちにとって遠い存在としての認識があります。

 

そこで、例えば平和主義について考える時に次の写真を提示します。

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非核平和都市宣言文石碑です。

この碑は本校児童が毎年春の遠足で訪れる公園にあります。

とは言っても、なんとなく知っている子どもたちが数人いる程度の認知度です。

 

次のような「平和の鐘」も存在します。

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このような碑や鐘は多くの自治体に存在しています。
そこにあるのに見ていなかった存在に、

「これは何?」

「何が書いてあるの?」

「何のためにあるの?」

という子どもたちの「問い」が生まれます。

 

非核平和都市宣言文石碑には非核平和宣言が記されています。

原子爆弾が落とされたのは広島や長崎で遠い場所なのに、なぜ自分たちのまちが非核平和都市宣言をしているのだろう?」

という問いが生まれます。

兵庫県内で非核平和都市宣言を行っている自治体を調べさせます。

多くの自治体が行っていることがわかります。

兵庫県では非核平和都市宣言が広がっていたけど、全国ではどうなんだろう?」という「問い」が生じます。

全国非核平和都市宣言率グラフを提示します。

全国的にも広がっていることが確認できます。

「なぜ非核平和都市宣言は全国に広がっているのだろう?」という「問い」が新たに生じます。

 

日本国憲法との関わりを感じさせていくのです。

つまり、あまり意識していなかったこと、自分とは遠い存在だと思っていたことが、「問い」を連続させることで少しずつ自分の身近な所へ近づいてくる、という感覚です。

 

〈参考文献〉

『社会科の「つまずき」指導術 社会科が面白いほど好きになる授業デザイン (社会科授業サポートBOOKS)」』宗實直樹(2021)明治図書