6年生の学習は、次のように「憲法の学習」から入ります。
しかし、子どもたちにとって、自分たちの生活と憲法とのつながりはなかなか見えません。
子どもたちにとって遠い存在としての認識があります。
そこで、例えば平和主義について考える時に次の写真を提示します。
非核平和都市宣言文石碑です。
この碑は本校児童が毎年春の遠足で訪れる公園にあります。
とは言っても、なんとなく知っている子どもたちが数人いる程度の認知度です。
次のような「平和の鐘」も存在します。
このような碑や鐘は多くの自治体に存在しています。
そこにあるのに見ていなかった存在に、
「これは何?」
「何が書いてあるの?」
「何のためにあるの?」
という子どもたちの「問い」が生まれます。
非核平和都市宣言文石碑には非核平和宣言が記されています。
「原子爆弾が落とされたのは広島や長崎で遠い場所なのに、なぜ自分たちのまちが非核平和都市宣言をしているのだろう?」
という問いが生まれます。
兵庫県内で非核平和都市宣言を行っている自治体を調べさせます。
多くの自治体が行っていることがわかります。
「兵庫県では非核平和都市宣言が広がっていたけど、全国ではどうなんだろう?」という「問い」が生じます。
全国非核平和都市宣言率グラフを提示します。
全国的にも広がっていることが確認できます。
「なぜ非核平和都市宣言は全国に広がっているのだろう?」という「問い」が新たに生じます。
日本国憲法との関わりを感じさせていくのです。
つまり、あまり意識していなかったこと、自分とは遠い存在だと思っていたことが、「問い」を連続させることで少しずつ自分の身近な所へ近づいてくる、という感覚です。
〈参考文献〉
『社会科の「つまずき」指導術 社会科が面白いほど好きになる授業デザイン (社会科授業サポートBOOKS)」』宗實直樹(2021)明治図書