社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

680 自己調整学習

 メタ認知と自己調整は似ています。

自己調整は、他の人をモデルにして学ぶ観察学習であるとされています。

どちらにも重要だと言えることは、

「自律性と自己決定性を高める」

ということです。

これらを子どもたちが感じられるような工夫を教師は行わなければいけません。

そうするためには、学び手の見方を受け入れつつ、適切なフィードバックを与えることが効果的です。

自律性支援的行動と制御的指導行動(シャンク・ジマーマン,2009)の以下の表を見て、自分ができていること、してしまっていることをふり返る必要があります。

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自律性支援的行動は、

「聞くこと」「学び手の要求を尋ねること」「個別活動の時間を取ること」「学び手の話し合いの促進」「席順について」「理由づけ(根拠)を与えること」「情報的フィードバックとしてほめること」「励ますこと」「ヒントを与えること」「応答的であること」「視点を捉える言葉」がポイントとしてあげられています。

逆に、制御的指導行動は、「命令や指示を出すこと」「「〜べき」と言うこと」「「正しい方法」を教えること」「「正しい方法」を示すこと」「学習教材を独占すること」「質問を制御すること」が挙げられています。

自分自身ができていること、やってしまっていることをチェックし、ふり返る必要があります。

この他、子どもたちの自信を高める(自己効力感をもたせる)ように教材の工夫をしたり、内発的動機づけを高めるような題材の選択をしたり、教科内容に関わる内容も、重要な働きかけです。

 

自身の出来具合を自分で決めなければいけないので、自己内省は子どもたちにとっては難しいものです。

だからこそ、今の自分の授業のつくり方をふり返り、子どもの自己調整を促すものに変化させていく必要がありそうです。

 

〈参考文献〉

『主体的・対話的で深い学びに導く学習科学ガイドブック』大島純 千代西尾祐司 編(2019)北大路書房