社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

742 『教え子みな吾が師なり』

森信三をして、「明治以後のわが国の教育界おける『100年一出』の巨人」、「超凡破格の教育者」と言わしめた人物。

「私を『開眼』させてくださった」と東井義雄に言わしめた人物。

それが、熊本の小学校教師、徳永康起です。

僕は長年、氏の存在を知りませんでした。

 

氏の書籍を集めました。

その中に『教え子みな吾が師なり』という書があります。

f:id:yohhoi:20210919142429j:plain



徳永康起編となっていますが、正確には、徳永の教え子が声をかけ合い出版した、美しい子弟の交わりの記録です。

書名は徳永が口癖のように言っていた言葉「教え子みな吾が師なり」から取っています。

 

森信三は、本書の序文の中で次のように記しています。

「この書は、今や戦後四分の一世紀を迎える今日、初めて出現した、真に万人の胸を打ち、その心を揺さぶる『民族教育記録』といってよいであろう。従ってこの書はまた、戦後わが国の教育界を風扉したかの無着成恭氏の『山びこ学級』、及び小西健二郎氏の『学級革命』を超える高次元に立つ成果といってよく、それ故この書は、以上の二書以上に、わが国戦後の教育的文献として、真に歴史的意義を有するといえるであろう」

 

その言葉に偽りはなく、胸を打ち、心を揺さぶられる一冊です。

何とも言えないしみじみとした気持ちになります。

 

今このような時代だからこそ、このような書に触れることの大切さを感じています。

徳永氏の言葉、生き方から学ぶことの多さは計り知れません。