社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

913 「豊かさ」を確立すること

重松鷹泰(1994)は、本当の豊かさを自分の中に確保するために
①静かさ②自分なりの納得③志
が必要だと述べています。
それらを踏まえ、子どもを教育する際のポイントとして次の3つを挙げています。
①静かな時間を与え、あまりせかせかしたりしないで各人に自分で静かな時間をつくらせるようにすること
②自分のやったことを自分なりに評価させ、評価したことを認めて励ましてやること
③各人の志を認めて、それを生かして心を豊かにするのを助けてやること
 個別最適な学びは、個の中に「豊かさ」を確立させるものだと感じています。
その「豊かさ」は「べき」が多い中からは生まれてくることはあまりありません。
時間的、空間的、関係的なゆとりがあり、自分で選択し、自分で決めることができる「自由」があること。
そして、自分の生き方を支えてくれる他者が存在すること。
これらが重要だと考えます。
 そう考えると、我々教師がするべき役割が見えてきます。
 
・環境を整え、ゆとりを生み出すこと
・足場を固め、子どもの自己決定を認めること
・子どもの願いを見つけ、支え続けること
 
 
ちなみに重松は、小学校時代の教師が「お守り役」を認めてくれたことに対する感謝の気持ちを述べています。「人と支え合う」という生き方を小学生時代から自分の中に確立し、その生き方を終生貫きました。
 
 
〈参考文献〉
上水内教育会研究調査部編(1994)『重松鷹泰講演集 歩み続けむ』上水内教育会