本を読むことは教師の「観」や「技」を高めるためには必須です。
そのためにも、身近に本が存在する状態をつくることです。
空間を確保し、本棚をもつことが重要です。
渡部昇一氏(1976)は、
「自分の周囲を、身銭を切った本で徐々に取り囲むように心がけてゆくことは、知的生活者の第一歩である」
と述べ、
「知的生活には空間との闘争がある」
とも述べています。
もちろん人によって住居の空間等が違うので一概には言えませんが、本による効果を高めるためにはまず本棚を置ける状態にします。
本棚があるといい理由の一つは、背表紙が見えることです。
背表紙を眺めるだけでも気づきがあり、「ひらめき」が起こりやすくなります。
見えているものが違えば、思考も違ってきます。
本棚の中にも空間をつくっておくことが重要です。
窮屈な本棚は、脳と心も窮屈にしてしまいます。
また、空間があることで新しい本を置く余裕ができます。
成毛眞氏(2018)はその空間を「自分の成長の余白の象徴」と呼んでいます。
次に、「いつ本を読むか」です。
私の場合は、1日に4つのジャンルの本を読むことが多いです。
行きの電車では原稿を書いたり自分の問題意識を高めたりすることにつながる本。
帰りの電車は疲れているので小説やエッセイ。
トイレではビジネス書やアート関係の本。
朝は学術書や古典的な本です。
行き帰りの電車で30分、朝やトイレの時間を合わせて30分。
1日1時間の読書量は確保されるわけです。
忙しくて読書する暇がないと言われますが、読書をしないから忙しくなるという考え方もあります。
常に身近に本がある状態をつくり、スキマ時間をうまく使うことが重要です。
〈参考文献〉