『学習環境づくりと学習材の開発』の中で「学習環境はよりよい小宇宙となるべきである」と表現しているように、学習環境とは、創造的で探究的な価値のある物的・人的環境のことを言います。
同書で次のように述べられています。
「学習環境というと、私たちは学校建築や教室空間などの物理的条件だけを思い浮かべがちであるが、ここではそのような物理的空間だけではなく生徒をとり巻く環境一般をさす。それは、教材はもちろんのこと、先生と生徒、そして生徒と生徒との人間関係、相互作用からなる雰囲気をも含めた環境一般をさす。これらの物的、心理的なものからなるいろいろな要素の総体を含め、オープン・スペースにおける学習環境づくりは、学校全体を肥沃な土壌をもった環境へと変えていくことをめざすものである。」
さらに、次のようにまとめています。
・学習環境づくりでは、物的な環境をオープンにするということだけにとどまらず、自由な学校空間の中に、学校外の諸々の教育的影響力に勝るような教育企画を創り出していくことを目ざす。 ・子どもたちが自発的に学べる洗練された質の高い学習材の開発が必要である。 ・学習環境づくりにおいては、先生と子どもたち、あるいは子どもたち同士の対話の構造が大事な要素である。 |
子ども達の自由度を高め、子どもたちが主体的に学んでいける物的、心理的環境をつくることの重要性がうかがえます。
その子にとって安心して学べる最適な学習空間の確保や、環境を整えることも、個別最適な学びを実現するための重要な手だてと考えられます。