社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

1025 「+α」で考える

まるごと教材化するのは確かに大変です。
そこでおすすめは、教科書+αで教材を扱うということです。
1時間授業の大半を教科書通りに進め、最後の数分間、自分がもってきた教材を使うというやり方です。
例えば、6年生の歴史人物である行基
教科書では、大仏建立のキーパーソンとして扱われています。
教科書には、「行基の協力は、人々の力を集めるうえで大きな力となりました」という表記があります。
これに少し+αをする教材開発です。
以下に、授業の流れで説明します。
 
まず、行基の写真を提示し、名前を教えます。次に行基町の地図を提示します。「え、行基の名前がたくさんある」と子どもたちは気づきます。「なぜ伊丹市に「行基」の名前が多いのだる?」という問いをもちます。子どもたちは「行基伊丹市で生まれたのかな」「伊丹市行基のお墓がある」「人気があったのかな」などと予想します。
 
 次に、右図のような伊丹市全体が写る写真を提示し、多くのため池が存在することに気づかせます。池を行基が造ったことを伝え、ため池を造った理由を教科書や資料集で調べさせます。日照りや干ばつがひどかった時代だったからこそ、多くのため池を造った行基が農民たちから感謝されていたことを捉えることができます。だからこそ、行基が大仏づくりに協力することで、行基を慕う人々も多く大仏づくりに参加するようになったのです。
 
聖武天皇の大仏造営を学習した後にこのような内容を+αで加えるだけでも歴史の見方が豊かになるのではないでしょうか。
このような部分的な+αの手軽な教材化もおすすめします。