社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

1133 授業を研究する「まえ」に

「授業実践」「授業研究」「授業分析」について、時間をかけてまとめている最中です。先行研究や先行実践を確認しながら、子どもの事実から客観的に文章化を試みています。

そもそも「授業実践」したり、「授業研究」したりするにあたって確認するべきことは多くあります。例えば、「授業実践」や「授業研究」のよりよい継承発展についてなどです。

吉田章宏(1977)は、「授業実践」や「授業研究」に積み重ねが起こりにくい事情(むしろ逆に、突きくずしていく事情)として次の4点を挙げています。

・研究や実践に、先行する研究や実践が活かされないという事情。

・「研究者」と「実践者」がお互いに甘え合っているという事情。

・授業をめぐって論文あるいは文章を書くことが、書き手にとっての内発的な動機によって支えられていないことがあるという事情。

・以上の事情が、「授業の研究」の「文化」を覆っているという事情。

 

また、吉田はそれぞれの研究や実践相互の関連もなしに独善的に実践・研究を進めてしまうことについて次のように指摘しています。

「雑多な説が横へ横へとつながりもなく無際限に拡がって、全体としては、ただ拡散と混乱を生ずるだけでしょう。」

1977年にこのようなことが危惧されていました。簡単にSNS等で拡散される現在では、この問題には拍車をかけることになるでしょう。自然と目にふれるものが多くなる中、目に留めるべきものを自分で選び取る必要性を感じています。

以上のことをひとつの視点として持ちながら、よき実践、よき文化を受け継ぎ、発展させられるように実践・研究を進めていきたいものです。