社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

1973 国旗から見えるもの

5年生の授業開きの一例をシンプルに示します。

 

●準備物
・地図帳

●ねらい
 国旗のデザインには宗教や歴史、願いや理念などが表されていることを理解できます。対象に興味をもたせ、さらに調べてみようという意識を授業開きからもたせることができます。

 

●展開
  次のような「共通する国旗クイズ」を行います。



どちらも宗教に関係するデザインになっています。(キリスト教イスラム教)
過去のリビアの国旗を提示します。

リビアの国旗が緑一色だった理由を考えさせます。
一見、緑が多いからではないのかと考えそうですが、実はその逆です。リビアは砂漠の多い国なので、緑の多い国にしたいという願いがこめられて「緑」の国旗でした。


 その他、「日本に似ている国旗」など、国旗についての興味深い話題を提示して授業を終えます。「もっと調べてみたい!」と子どもたちが追究を始めます。

 

1971 灯で温め続ける

東井義雄(1957)は、子どもたちの「生活を耕す」には、
 
「子ども一人一人の内面的な生命活動に喰いいって行かねば、どうにもすることのできない問題だからである。」
 
と述べます。
また、
 
「子どもの一人一人が、まず、自分の内面的な意識活動や、それに関連して行われる生活行動に対して、自分の方から注目し、その生命活動の一ひら一ひらを大じにしようという心構えになってくれることが先決問題である。」
 
と述べます。
 
この
「自分の内面的な意識活動や、それに関連して行われる生活行動に対して、自分の方から注目し、その生命活動の一ひら一ひらを大じにしようという心構え」
こそ、子どもの自分自身へ対する気付きだと感じます。
 
まずは対象となるものに対して没頭すること。
そこから得る気づきを自分の中に取り入れ、そこにできるささやかな感動を灯すこと。
その灯で心を温め続けていくこと。
そんな経験の連続を低学年では特に大切にしたいものです。
 

東井義雄(1957)『村を育てる学力』明治図書

1970 ゆさぶりよりもゆり動かす

1960年代ごろから「ゆさぶり」発問が取り上げられるようになり、ゆさぶり発問というテーマで国語、算数、社会、理科の4教科で発問研究がまとめられました。
「ゆさぶり」発問は、機械的に扱うものではなく、授業観や指導技術観、子ども観など、「観」の問題です。
子どもの内側からつき動かすエネルギーを引き出し、子どもの主体性を発揮できるようにするというイメージです。
そういった意味でも、上田薫(1988)が「ゆり動かす」という表現を使っているように 、私も「ゆさぶり発問」よりも、「子どもの内からゆり動かす働きかけ」と表現する方が望ましいと感じます。
以下、「ゆさぶり」というテーマに関する文献。

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青木幹勇(1976)『国語科ゆさぶり発問』明治図書
重田純堯(1976)『算数科のゆさぶり発問 』明治図書
山崎林平(1976)『社会科のゆさぶり発問 』明治図書
山井重雄(1976)『理科ゆさぶり発問』明治図書
吉田章宏(1977)『授業を研究するまえに』明治図書,pp. 216-219
以下、掲載された文献を列挙する。
斎藤喜博(1960)『授業入門』国土社
斎藤喜博(1963)『授業−子どもを変革するもの−』国土社
・武田常夫(1963)『文学の授業』明治図書
・宮坂義彦(1970)「発問を考える」『教育』第251号,pp.51-64.
・吉田章宏(1972)「『ゆさぶり』概念の検討」『教授学研究3』国土社,pp.24-50
・武田常夫「授業での『追いこみ』ということ」『教授学研究3』国土社,pp.100-117
・武田常夫(1973)『イメージを育てる文学の授業』国土社
斎藤喜博(1973)「斎藤喜博対談5「演出と教育・広渡常敏―斎藤喜博」『斎藤喜博の個人雑誌、開く』第五集、明治図書,pp69-89.
・首藤昭五(1973)「集団の思考をゆさぶる学習課題とは」『授業研究123号』明治図書,pp.40-45
・吉本均(1974)『訓育的教授の理論』明治図書
・吉田章宏(1974)「ゆさぶりと視点」『教授学研究4』国土社,pp.54-95.
・(1974)「特集、授業のヤマ場で思考をどうゆさぶるか」『理科教育第63号』明治図書
・相馬弘直(1974)「こどもの心をゆさぶる発問とは」『授業研究第134号』明治図書
・吉田章宏(1975)『授業の心理学をめざして』国土社
・早田修三(1975)「学習集団としての授業」『現代教育科学 第212号』明治図書,pp44-53.
・吉田章宏(1975)「『発問の機能』の発生的研究を」『授業研究 第143号』明治図書,pp5-10.
・吉田章宏(1975)「教授学における構造・機能・目的」『教授学研究5』国土社,pp79-89.
・吉田章宏(1975)「特集―『ゆさぶり』発問による学習の深化」『国語教育 第208号』明治図書
・氷上正(1975)「『ゆさぶり』発問でねらう効果は何か」『国語教育 第208号』明治図書,pp.5-1.
・氷上正(1976)『教材解釈と授業展開』明治図書,pp.171-185
・早田修三(1975)「『ゆさぶり』発問の型と方法―限定・類比・否定によるゆさぶり-」同前号,pp5. -24.
・青木幹勇(1975)「『ゆさぶり』発問のつくり方、教材分析による発問づくり」同前号,pp. 25-33.
・前沢泰(1975)「『ゆさぶり』発問が生きるための条件」同前号,pp. 43-50.
・安藤操(1975)「詩における読みとり方とイメージ化」同前号,pp. 63-68.
・吉田貞介(1976)「子どもの情意面のゆさぶりを」『現代教育科学 第225号』明治図書,pp. 79-81.
・山崎林平 他(1976)『社会科のゆさぶり発問 』明治図書
・重田純堯 他(1976)『算数科のゆさぶり発問 』明治図書
・青木幹勇 他(1976)『国語科ゆさぶり発問』明治図書
・山井重雄 他(1976)『理科ゆさぶり発問』明治図書
・吉本均(1976)「『否定的媒介者としての教師』の役割」『授業研究年鑑・76年版』明治図書,pp. 14-16
斎藤喜博(1976)『授業の可能性』一茎書房
・片岡徳雄「集団思考における統制と自由」『授業研究 第164号』明治図書,pp. 5-9.
・霜田一敏「授業における教師の出方」同前号,pp. 10-14.
・早田修三(1967)「集団思考を促す学習活動とは」同前号,pp. 40-45.
今村資泰(1981)「低学年授業における『ゆさぶり』発問」『国語科のゆさぶり発問』明治図書,pp. 28-29.
上田薫(1988)『未来にいかなる光を』黎明書房,p. 68.
長岡文雄(1976)「中学年授業における『ゆさぶり』発問」『社会科のゆさぶり発問』明治図書,p.75.

1969 連続講座①「問いづくりの発想と技術」

6/16の講座は、発問づくりや学習問題づくりの基礎基本から、問いの分類と組織化 、見方・考え方を働かせる発問のつくり方 、子どもの側からの問い等、発問や問いが生まれる発想から具体的方法まで網羅しようと考えています。

 

先日の講座の新年度はじめ講座の中でも話題になりましたが、問いの種類や知識との関係等の話も取り上げたいと思います。

ただ、前回同様時間の心配が…(^_^;)

 

よろしければご参加ください!

前回同様、「お土産」も用意いたします^_^

 

申し込み開始されています。

よろしくお願いいたします。

https://eventpay.jp/event_info/?shop_code=0000001824424435&EventCode=8380708275

 

 

1967 社会科授業のつくり方連続講座

1年間お世話になります。
以下のような形で進めますので、気になる回がありましたらぜひご参加ください^_^
全体として、子どもたちの学びを中心に置き、教師がいかにしてその学びを支援・促進するかを段階的に考えられるようにしています。

つまり、社会科特有の「個」の学びや子ども主体の学びを意識した連続講座としています。


第1回の申込開始は明日4月1日午前7時からとなります。
(各回申込開始は開催日2ヶ月前の1日7時からです)
よろしくお願いいたします。

申込情報等はこちら▼
http://www.kyoshinochie.net/

 

 

1965 新年度を豊かに迎える

★明日の20時が申し込み締め切りです。

 
1年間、豊かな社会科授業をするために、何が大切なのかを「ゴールイメージ」と「授業開き10の原則」をもとに「具体」で話します^_^
お土産もしっかり用意します。
とりあえず
 ・社会科授業づくりで大切なこと
・社会科授業づくりと学級づくりのつながり
・Less is moreの社会科授業のあり方
・ゴールの姿から見据える方法
・実際の授業開き〜4月の具体の様子
・全学年内容を俯瞰する手立て
あたりは、お話しようと考えています。
新年度、ちょっと社会科の授業づくりや社会科を通じた学級づくりに力を入れようと思われている方、ぜひご参加ください^_^