社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

43 「豊かな判断力」を育む「構想型授業」

「豊かな判断⼒」を獲得するためには、判断、選択、決定の活動が必要となります。我々⼈間は、⽇々判断し、選択し、決定することの繰り返しだと⾔えます。「今⽇は疲れたなぁ。温泉にでも⼊って疲れを癒そう。どこの温泉へ⾏こうかな…。⾞で運転するのも遠く…

42 経験の整理

3月中は意外とゆっくり過ごします。(4月からのことはちょっと置いておいて(^_^;)) 本を読んだりどこかへ出かけたり…。 心と体のエネルギーチャージは必要です。 もちろん4月からの準備もします。 そして、1年間のふり返りもします。 例えば、 ・カメラ…

41 『驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ』あべのハルカス美術館

並河靖之の七宝作品を観ることをメインにしていました。 単眼鏡を持っていっていたので細部までじっくりと観ることができました。 今日は単眼鏡が大活躍。 それにしてもびっくりするような作品ばかりでした。 絵画、彫刻が工芸より上位に置かれる認識が大き…

40 固有の事例か一般の事例か?

昨日取材した「坊勢島」は一般的に言えば、「水産業がさかんな地域」にあてはまります。逆に言うと、水産業がさかんな地域の事例地としての「坊勢島」となります。学習を進めるとすると、子どもたちはどちらを意識して学習するでしょうか。 ①私たちは「水産…

39 坊勢島へ取材

今日は愛する坊勢島へ取材。 いた時にもっとお話を伺っておけばよかったと思う。 しかし、そこを出たからこそ気づくよさがたくさんあります。 正に教材の宝庫。ここを教材化せずにどうするんだ。 坊勢の歴史から地理的環境、人々の協力関係。漁業における工…

38 第11回『小学校学習指導要領解説〈社会編〉』を読みこむ会

日時▶3月28日(木)18:30〜20:30 場所▶三田まちづくり恊働センター/会議室4 内容▶第4章(P.135~146) 会後▶「嬉しや」にて会食 月1回開催している社会科の学習会です。 今日は大阪からも参加してくださいました。 「指導計画の作成と内容の取扱い…

37 学びの地図

本年度、「学びの地図」に取り組みました。 【学びの地図】 〈ねらい〉 ○学びの軌跡を見えるようにし、何を学んだのか、自分の変容に気づかせるため。 ○思考方法を自分で選択し、自分の学びを体系化させるため。 ○知識を構造化し、より豊かな「概念」を形成…

36 『明恵の夢と高山寺』中之島香雪美術館

国宝「鳥獣戯画」を展示する、香雪美術館とって初の特別展。鎌倉時代の高僧明恵上人の「夢記」を手がかりに、明恵の人物像に焦点をあてる展覧会でした。 「鳥獣戯画」は一つひとつをじっくり観てもおもしろい。全体を俯瞰して観てもおもしろい。ぶっとんでま…

35 『教えるということ』大村はま

長期休業等、節目の時に必ず読み返す本が数冊あります。この本は、そのうちの一つです。 『教えるということ』大村はま(共文社)1973 再読する本は、だいたいその都度線を引く所が変わります。でも、この本は数年前に読んでいても線を引く所が大きく変わり…

34 子どもの反応

澤井陽介氏の書籍はすべて拝読しています。 『教師の学び方』澤井陽介 先日発刊された書籍『教師の学び方』にこのようなことが書かれていました。 「今までとはちょっと違うこんな授業をやったら、子供がこんなリアクションをした」“それはいったいなぜなの…

33 4年生社会科「「マンホール」から見えるもの」

さて、前回のマンホール記事に引き続き今回はマンホールの実践紹介です。 yohhoi.hatenablog.com 4年生『わたしたちの県』単元。土地、産業、交通などを調べ、それぞれを結びつけて自分たちの県の特色を捉えることがねらいです。単元目標と単元計画は以下の…

32 なぜマンホールが好きなのか?

数年前から行く所々でマンホールの写真を撮るようになりました。コレクションと言うほどではないですが、撮ったマンホールのフォルダを制作し、保存しています。一つ一つをじっくり眺めると非常におもしろいです。僕がなぜマンホールが好きなのか。以下に述…

31 単元のまとめ活動をどうするか?

教科書に慶されている各単元の最後に「まとめる」「ふり返る」「深める」「広げる」等の活動があります。具体的には、新聞をつくったり、紙芝居にしたり、ポスターにまとめたり、様々です。ただ、ややもすれば「活動あって学びなし」の取り組みになってしま…

30 「指導言」を問い直す

授業中に教師が発する指導のための言葉を「指導言」といいます。 「指導言」について非常にわかりやすく整理したのが大西忠治氏です。 (『発問上達法−授業つくり上達法PART2』民衆社 (1988)) シリーズ・教育技術セミナー 2 (2) 発問上達法−授業つくり…

29 坊勢島

「追究」(自主学習)で「坊勢島」に実際に行って調べている子がいました。 坊勢島は僕にとって第二の故郷のような場所。 嬉しいものです。 坊勢島は来年度中には漁業単元として教材化する予定。 本日、春休み中に取材に行けることが決定! 島にいた時に、も…

28 「大熊窯」大上巧氏への御礼

「大熊窯」の大上巧氏に2度本校へ来ていただきました。 (T社の3・4年生社会科教科書(下)に掲載されている方です) ☆大熊窯HP→https://ohkumagama.com/ 1度目は2月末に学級に。 授業中に巧さんが登場し、教室は騒然。子どもたちは大喜びでした。そこから…

27 『瀬戸ノベルティの魅力』兵庫陶芸美術館

愛知県瀬戸市で盛んに作られ、人形や動植物をかたどった焼き物「ノベルティ」。 正直行くまではあまり興味がわかなかったのですが…。 細部を見ていけばこれがけっこうおもしろい。(「galleryeye」大活躍!) 指の先から服の表現、顔の表情等、じっくり観る…

26 地図記号をつくろう!

ある子が小学生新聞を持ってきてくれました。 新しい地図記号ができるそうです。 朝日小学生新聞2019.3.17 (ちなみにうちも小学生新聞とっていますが、大人が読んでもおもしろいですよね) また、「2020年東京オリンピック」に向けて様々な分野で準備が…

25 旅行には「地図帳」を

休み明けなどに子どもたちから「せんせ~、〇〇へ行ってきました!」なんてことをよくききませんか? 子どもたちはけっこういろんな場所へ出かけたりしています。 出かける時の必須アイテムとして紹介しているのが「地図帳」です。近くても遠くても地図帳の…

24 なぜフィールドワークをするのか?

「フィールドワーク」とは、新村出編『広辞苑』(岩波書店)によると、 フィールドワーク (1)野外あるいは実験室外の作業・仕事・研究。 野外研究。 (2)現場または現地での探訪・採集。実地調査。 とされています。 僕が行うフィールドワークは(2)の…

23 教材4割、学級経営6割

社会科授業の導入で子どもたちの心をどうつかむかを考えます。 モノで入る クイズで入る ゲームで入る など、様々考えられます。 よい教材を考えて、導入に力をいれるのはもちろん大切です。しかし、授業後半、熱量が下がってしまうことはありませんか。僕は…

22 「観光」の視点

この3学期は、「地域」のことが常に頭にありました。 「地域の特色」「地域発展」という視点で授業づくりをしていました。 読む小説も観光(地域)関係のものに目がいきました。 そんな時、『社会科教育4月号』寺本潔氏による「観光」の御論考が目に止まり…

21 『リーチ先生』原田マハ

原田マハ氏のアート小説をこよなく好んで読んでいます。 本書は原田氏得意の史実に基づいたフィクションアート小説。『楽園のカンヴァス』や『暗幕のゲルニカ』のようなミステリー性はありません。しかし、やはり惹き込まれながら読み進めることができます。…

20 「つまり」と「例えば」

子どもたちの発言に対して、 「つまり〜?」 「例えば〜?」 という問い返しを教師はよく使うと思います。 子どもに具体化させたり抽象化させたりすることをねらいます。 でも実は、子どもたちはこれらの言葉を意外とよく使っています。 その瞬間を我々がし…

19 授業研究サークル『山の麓の会』

今日は、『山の麓の会』第105回定例会でした。 『山の麓の会』は、僕が所属している研究サークルです。 今回は、『山の麓の会』について紹介いたします。 授業研究に特化した会 授業研究サークル『山の麓の会』 【『山の麓の会』とは】 『山の麓の会』は…

18 「困難さ」に応じた配慮

今回の学習指導要領、指導計画作成上の配慮事項の一つとして「障害のある児童などについては、学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと。」と明記されています。 これはどの教科にも共通しています。 …

17 追究方法の視点

子どもたちは何らかの視点をもって追究(調べ活動)をしています。 無自覚なことが多いでしょうから、教師が価値づけることも必要です。 「君は二つを比較して共通点をみつけたんだね!」 「なるほど。調べたことを自分自身の生活に引き寄せたんだ」 「絵や…

16 「比較」を当たり前にして豊かにみる

前回の記事の続きです。 子どもたちが「比較」の思考を自分のものにし、意図的に使えるようになると、そこから様々な視点でみられるようになります。 例えば、「メリット・デメリット」視点であったり、「共通点」視点であったりです。 以下の資料は子どもた…

15 「マクロな比較」と「ミクロな比較」

社会科は「比較の教科」だと言っても過言ではないと思っています。 「比較」は「相違点(違い)」と「共通点(同じ)」を見つける思考法です。 様々な比較方法がありますが、今回2つの比較方法をご紹介します。 一つは「マクロな比較」です。 「低地のくら…

14 足を運んで判断する

社会科授業の中で価値判断をさせる場面がよくあります。 資料を元に判断することが多いです。 子どもたちはいつも悩みますが、そもそも知れば知るほど判断しにくくなるのが常です。 こうやって実際に行って自分で判断することって素敵だと思います。 どんど…