2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧
アメリカの知覚心理学者であるジェームズ・J・ギブソンが1950年代にafford(与える、提供する)を名詞化した造語に「アフォーダンス」という言葉があります。 『アフォーダンスー新しい認知の理論』の中では、「環境が動物に与え、提供している意味や価値」…
岐阜県池田町立池田小学校が著した『指導の個別化・学習の個性化―地域社会に支えられた学校―』という書籍があります。 本書は、教育の個別化・個性化を日常の具体的な実践を通して学校と地域が一体となって求め続けた7年間の詳細な記録です。 本書の「はじめ…
『学習環境づくりと学習材の開発』の中で「学習環境はよりよい小宇宙となるべきである」と表現しているように、学習環境とは、創造的で探究的な価値のある物的・人的環境のことを言います。 同書で次のように述べられています。 「学習環境というと、私たち…
オープンエデュケーションと呼ばれる教育法は、あらゆる面で開放的であろうとすることを信条としていました。 「教室が教室のように見えない」 「子ども達全員が動いているという印象を受ける」 「どの子ども楽しそうにものごとに取り組んでいる」 という当…
子ども達が自律した学びを進める際に、学習材の存在が大きな役割を果たします。 加藤幸次, 浅沼茂(1987)『学習環境づくりと学習材の開発』という書籍があります。「学習環境」と「学習材」に特化した書籍です。本書籍をもとに説明していきます。 【学習パ…
「自己評価」については、安彦忠彦の研究に着目しました。主に心理学によって議論されていた「自己評価」論に、教育学的視点を盛り込み、より大きな概念として「教育における自己評価」の必要性を説きました。安彦は、「評価は本来すべて自己評価である」と…
評価について、教える側の視点だけでなく、学ぶ側からの視点も必要です。自分自身を客観的に主体的に評価し、自らの問題として吟味できるようにします。 自己評価の意義について、例えば次のように述べられています。 「評価は常に学習者に自覚されていかな…
学習の個性化を詳しく3段階に分けると次のようになります。 学習の個性化への第一歩は、学習者に学習活動の順序を選択できるようにすることです。自分の興味・関心に応じてどこから開始してもよい学習です。最終的にはすべての学習課題を完了することとなり…
「比較」は自分の研究のキーワードでもあります。どの教科にも通じる思考法であるが、社会科における「比較」の有用性を研究したいと思って続けています。この本は昭和37年の本で相当古いが、視点がおもしろい。史実を比較検討することで、類同性や普遍性…
長岡文雄氏の書籍は入手困難なものが多いです。 例えば、長岡文雄(1979)『学級づくりと学級会活動 小学1年』明治図書。 Amazonでは30000円します(^_^; 明治図書さんの復刊投票で見つけ、先日みなさんに呼びかけたところ、なんと一晩で復刊が決定されまし…
先日、とある会を経て感じたことの一つ。 「協働的な学び」は手段にも目的にもなるということ。 教師主体の授業の多くは、授業のねらいを達成させる手段としての協働的な学びが行われてきた感じがあります。一方、子ども主体の授業では、自分の学びをつくる…
「個別学習」において大切なことは、決して放任の学習ではないということを教師が自覚することです。 現状の個別学習だけでは不十分だと判断すれば、教師がある子の考えを共有したり、全員に新たな課題を提示したりすることが必要です。 もちろん、子どもの…
子どもの具体の姿に真実があります。 そこに、その子の学びの文脈やくらしの文脈が生まれ、その子の「物語」が生まれます。 子どもの学びの文脈を読み取り、その子のこだわりを見て、そのこだわりにつき合い、その子と共に教室でくらしていく姿こそ、本当の…
石橋勝治(1949)『一年生の教室記録』という戦後に出版された一冊があります。 『石橋勝治著作集7』の中にも収められています。 その「はじめに」で、次のように述べられています。 私たちはプランが教育なのではなくて、子どもたちの実際の生活をほりさげ…
「社会を中心に」もあったらよかったのに…。 と思ってしまう。
「学習即生活、生活即学習」 低学年においてより強く感じる言葉。 子どもの学習が生活の中に切り込み、子どもの生活が学習の中に切り込む。 生活と教科がより融合的に存在するところにおもしろさがある。 本書は生活綴方と体育という教科を結びつけようとす…
「知識」について整理したくて再読。 僕は奈須氏の「カラフルな知識」という表現が好きです。
4年生の学習で重要なことは、1年間常に「県」を意識して進めることです。 どこに着目してどの事例を扱うかで子どもの学びは大きく変わってきます。
有田和正氏の書籍では、このあたりが好きです。
奈良女副校長であった土谷正規の定年退職の前に編まれた一冊。 土谷氏の仕事は多岐にわたるが、体育の授業だけに焦点を絞って構成されている。 とは言っても、体育だけでなく、集団指導論、総合学習論、増健論等、様々な角度から迫っている。 それがよい。 …
「企画展がなくても楽しめる美術館」であることこそが本質的。 そんな美術館へ行きたいものだ。 しかし、日本には1000を超える美術館が存在する。 そのなかから著者が主観的ではあるが厳選してくれているのが本書。 行きたい美術館がゴロゴロ。 例えば、…
「授業分析というのは、資料にもとづいた個の追究です。録音や録音から持ち出したものを、一生懸命みて、そうすると、そこに現れてきた児童の個が、みえてくる。また、児童の個がみえなくて、まごまごした自分や、個がみえてきて、それを励まそうとした自分…
小学校において「なぜ歴史を学ぶのか」をもちながら学習を進めたいものです。
朝から読んでいた2冊。並行して読むことで深まるものがあります。今日もどんな「願い」をもって子どもと暮らそうかと考えます。
社会科における「つまずき」について、より多面的に多角的に総合的に捉えていきたいと思っています。 それを突き詰めることが、新しい授業づくりのヒントになると感じています。
「経験」を豊かに語れる子どもを育みたいものです。
単元のまとめ方を子どもが選べるようにするだけでも、その子らしい学びが生まれると感じています。
「社会科の初志をつらぬく会」としての初の単行本。 会としての「初」はいろんな想いが込められていて貴重です。