授業研究・子ども理解
この子らしい発言とは、子どもが自分の生活や経験と結びつけながら話す言葉のことです。単なるエピソードや出来事の羅列ではなく、その子自身の文脈や物語を反映した言葉ともいえます。物語には、一つ一つの出来事が時間的な流れの中で相互に関係し合い、伏…
授業UDとは、すべての子どもにとって「わかりやすい」「学びやすい」授業を設計するための考え方です。 たとえば板書の工夫や図の提示、操作性の確保など、「教える」ことを前提に、一斉授業のなかでも誰もが“のれる”ようにすることが目的です。 つまり、教…
以前から「個」に着目した教育を実践している学校として注目していた、愛知教育大学附属岡崎小学校。このたび、共に研究させていただく機会を得たことをきっかけに、改めてその教育理念や実践を探りなおしてみました。やはりめちゃおもしろく、学ぶところの…
「教師の感性が問われている」今、ほんまにそう感じます。でも、その「感性」という言葉に、僕たちはどんな意味を込めるのか。特別なセンスやアーティスティックな才能のことではなく、日々の中で、子どもたちの何気ない表現やふとした言葉に、みずみずしさ…
授業参観とは、そもそも何のためにあるのでしょうか。「子どもが手を挙げて発言する姿を見てもらいたい」「学び合いの様子を見てほしい」「クラスの雰囲気を伝えたい」など、さまざまな意図があるかもしれません。教員側としては、・全員が関われるような工…
昨日の「はじめての◯◯」出版記念セミナーを終えて、「引き出す」ことについても色々と考えました。 発問や、しかけなど、いろんな手立てもありますが、この時期はわれわれ教師がどうあるべきかという観の部分を大事にしたいものです。 嶋野道弘(1996)は、…
子どもについての研究として、ぜひ紹介したい一冊があります。それが『現場の児童研究』(初版1956年・復刻1999年)です。研究の舞台は、戦後間もない時期。 物がなく、衣食住にも困っていた時代に育った子どもたちが対象でした。 でも、驚くのは、そんな厳…
教材研究というと、ふつうは授業の前にしっかりと準備しておくもの、というイメージがあります。 実際、僕も授業の前には資料を集めたり、現地の写真やインタビュー映像を用意したり、「このあたりで子どもが反応するかな」と想像しながら授業構成を考えてい…
『はじめての社会』が手元に届きました。 社会科にのめり込んで10年。 その10年間のひとつの区切りのお仕事となる一冊かもしれません。 これまでの経験から得た知識や技術をコンパクトに凝縮しました。 まさに本書は、「10年前の自分」に送りたい1冊とも言…
そのものの意味や価値、目的を踏まえて、自分に合う形をさぐることが大事ですね。
本書は、もともと『現場の児童研究』の成果をもとに執筆され、「学級経営を吟味する」部分を加筆・修正しながらまとめ上げたものです。優れた書籍や価値ある内容は、時代や形を変えながら派生し、新たな視点や深みを加えていくもの。本書もまた、その流れの…
教育の本質的な部分が形式的な記録や評価の中だけでは捉えきれません。子どもたちの学びや成長は、数字や言葉だけで表せるものではなく、教室でのやり取りや、教師と子どもの関係性、そしてその中で生まれる気づきや感覚に深く根ざしています。 たとえば、子…
これは、「初志の会」としての初の単行本。 足場は主体の内部、外部いずれにあるのか…。 いろいろとさぐりっています。 斉藤雄三氏のご実践をもっと掘り起こしたい。
「授業分析という仕事は、学校の体制を大きくゆり動かす。これはわたくしたちの最初予期しなかったことである。学校長以下職員の授業を見る目、子どものとらえ方が、飛躍的に深まり、教職員全員の協力(男女、新進と熟練者、教科分担などの区別を超えての協…
「とらえなおす」「みなおす」という言葉が、これからの実践における重要なキーワードとなりそうです。日々の教育活動においても、既存の考えや方法をただ繰り返すのではなく、常に新たな視点で見直し、再評価していくことが求められます。これが、子どもた…
以前、外で校内研修のことについてもお話する機会をいただきました。色々と考えました。伊藤功一氏が提起する校内研修の問題点は、現場での改善を考えるうえで非常に重要だと考えます。氏が主張する各項目に関して見ていくと、さらに多くの問題点が浮かび上…
「子どもの資質・能力を育成するために、『考えること』と『教えること』がどう結びつくか」について書かせていただきました。社会科教育においては、子どもたちが主体的に考え、学びを深めるために、教師が教えるべきことと、子どもが考えるべきことが密接…
奈須先生のお話の中には、重松鷹泰の話題がよくとりあげられます。 その中でよく感じるのは、「当たり前のことを当たり前に、誠実に行うことの大切さ」です。 重松氏の教育論が持つ力強さは、まさにこの誠実さに根ざしているのではないかと感じました。 そし…
「受けの学習計画」とは、子どもたちが学びの過程で生み出す問いや考えに応じて、教師があらかじめ立てていた単元計画を柔軟に見直し、変更していくことを指します。この計画は、用意された内容を進めるだけではなく、子どもたちの発想や理解の深まりに応じ…
木下竹次の「学習」の主張は、学びというのは単に知識を覚えたり、答えを見つけることじゃない、ということ。大事なのは、子ども自身が疑問を持って、その疑問をきっかけに深く考え、自分で解決策を見つけるプロセスです。つまり、授業の中心は子どもの「問…
学校全体で取り組む研究書を読むたびに、何を共に考え、どのような取り組みが行われてきたのかを深く考えさせられます。学校という場所が、子どもたちをどう育てていくかという大きな目的を持つ場であることを改めて実感します。個々の力だけでなく、学校と…
折に触れて読み返す本って必ずあります。『現場の児童研究』はその一冊。本書は、子どもの発達過程を深く探求し、個々の子どもの成長や変化を理解するための貴重な研究をまとめた一冊です。この本は、子どもが「どのように変わるのか」「どのように育つのか…
教科の「見方・考え方」は、子どもたちが学びを深めるための「眼鏡」として働くものであり、それを通して世界をより鮮明に見ることができます。 しかし、この「眼鏡」はあくまで補助的な感じで、本来の見方、つまり子ども自身の「眼」はその奥に存在すると考…
目次に生徒の名前がずらりと並んでいるというユニークな構成がすでに、この本が他の教育書とは異なることを示しています。一人ひとりの学びを中心に、その子どもを取り巻く教室の文脈や、探求するテーマが大きく広がっていきます。この「個」から始まる学び…
子どもの「見る眼」を育てることは、学習者主体の学びにつながる重要なプロセスです。ここでは、「見る」という行為を単なる視覚的なものにとどめず、五感をフルに活用した経験として捉えます。つまり、「手で見ること」「足で見ること」「頭で見ること」「…
「主体性」について、山田勉の著書と図をもとに…。 まず、山田の主張にもとづくと、主体性は単に子どもが自ら行動することを意味するのではなく、自己否定の過程を経て発展していくものです。 自己否定とは、自分の考え方や知識が間違っている、または不十分…
1. どの子も主体的に学ぶ有能な学習者であるという立場に教師が立つこと 教師は、すべての子どもが潜在的に有能な学習者であるという信念を持つことが重要です。 これは、子ども一人ひとりが自分の力で学ぶ能力を持っており、それを引き出すのが教師の役割で…
第2回のテーマは、 「『この子』の学び方と子ども観ー社会科における子どもの思考の癖を読み、子ども理解を深めるー」 です。 この講座では、社会科の授業を通じて、子どもたちがどのように考え、どのように学びを進めているのかを深く探ることに焦点を当て…
「子どもがする授業」は、従来の「授業は教師がつくるもの」という考え方から一転し、子ども自身が授業を創造するという理念に基づいています。これは、子どもの可能性や人格を尊重し、子どもたちが授業に寄せる願いや主張を教師が鑑みて、授業の進行を子ど…
来週15日(日)10:00~11:30です。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー■第2回「この子」の学び方と子ども観ー社会科における子どもの思考の癖を読み子ども理解を深めるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー社会科における子どもの思考の癖…