社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

1468 批判的に再読

個人的にご連絡をいただいたことをきっかけに、拙著をパラーッと読み直してみました。明示してないけど、本書はUD視点を踏まえて執筆しました。けっこう自分の原点になっているものです。ただ今は、「つまずき」を活かす視点の内容がもっとあった方がいいな…

1467 「個」を位置づけ、願い、待つ

長岡文雄(1983)は、『〈この子〉の拓く学習法』の中で、次のように述べています。「〈この子〉の学習法は、〈この子〉の個性的なものである。個を全体的に統一して生きるものである。従って、その中には、当然、〈この子〉が、「学級の中でどう生きるのか…

1466 「支援」はいつから?

「子ども主体」や「学習者主体」という言葉がよく使われるようになり、それらに関する授業実践も多くなってきました。その際の教師の役割として、「支援」という言葉が目立ちます。 「支援」という言葉の出所は、指導要領の改善に関する調査研究協力者会議が…

1465 「助言」とは

大西は「発問」「指示」「説明」という3つの指導言のほか、「助言」を重要視していました。「『助言』こそ授業づくりのカギである」[1]と述べます。大西は「助言」の役割として2つ提示します。 1 解答のためのヒントをあたえる。 2 子どもの思考の方向を…

1464 京都で社会科授業づくりセミナー

2023年4月から新学社と共同して、社会科の授業で使えるパワーポイント集をつくってきました。毎月一回の検討会議では、各自作成したパワーポイントを発表し、さらなるブラッシュアップを目指しました。1年かけて、5年生用30本、6年生用30本のパ…

1463 発問の歴史を概観する⑤

◼️発問研究の進歩 1970年代以降、日本の教育界では発問に関する研究が活発化し、特にその類型、方法論、構造に注目が集まりました。この時期の教授学の発展は発問論に大きく貢献し、発問の分類や作成方法、基本原理の点で重要な成果を生み出しました。 宮坂…

1462 発問の歴史を概観する⑤

(6)戦後の日本教育◼️新教育の流行と衰退 1945年9月、第二次世界大戦が終わった直後に、文部省は「新日本建設の教育方針」を発表しました。これは、民主的で文化的な国家の構築に必要とされる教育の基本的な指針を示したものであり、戦後の教育改革のスタ…

1461 発問の歴史を概観する④

(5)大正自由教育期の児童中心主義◼️児童中心主義 大正時代の日本は、教育における自由主義の精神が息づいており、子どもの自発性や個性を尊重する動きが教育界において顕著でした。この児童中心主義の流れは、子ども自身の内面や興味を学習の出発点とし、…

1460 発問の歴史を概観する③

(4)新教育の影響 明治30年代は、授業の実践や理論においても、20年代とはくらべものにならないほど活発な議論が展開されました。明治以来の硬直化した教授を批判したのが、新教育の系譜でした。[1] ◼️学習者主体へ たとえば樋口勘次郎(1899 明治32年)『…

1459 発問の歴史を概観する②

(3)明治の近代学校制度 日本の教育界に「発問」という用語が登場してくるのは、明治20年代になってからでした。学制発布から順にみていきましょう。 ◼️開発主義教授法 1872(明治5)年の学制の発布により、日本の近代学校制度がはじまりました。その頃は、…

1458 発問の歴史を概観する①

2023年12月31日現在、グーグルスカラーにて「発問」と検索すると、約 15,400 件ヒットします。これだけ多くの研究がされ、注目度の高いワードとなっています。 そもそも、発問とはいつから使われ、いつから研究されるようになったのか、まずはその起源を辿っ…

1457 孤独の味

「すっきりした子どもたちにするために、わたくしたちは、子どもたちを孤独にし、またその孤独にたえ、さらにその孤独をたのしませることが、必要ではないかと、考えて居る。」ー重松鷹泰(1949)『学習研究』12月号よりー僕たち大人にも孤独の味は必要だよ…

1456 「なる」より「する」、「持つ」より「ある」

昨年末、昨年の夏に東井義雄の生家を巡る旅を行ったメンバーでの一献がありました。そこで話題になるのはやはり「観」や「あり方」の話。「これから何がしたい?」「何をおもろがりたい?」と質問されて思い出したのが以下の2点。 ◼️内村鑑三の「なる」生き…

1455 山口県社会科の会

3月16日に山口県の小学校にお邪魔します。才宮さんとワイワイさせていただきます(^_^)楽しみです。よろしければご参加ください!

1454 第79回 社会科の本を読みこむ会

本日の読み込む会はこちら! ぜひご参加ください() 日時 1月13日(土) 20:00~21:00 ​方法 オンライン 内容 『社会科実践の追究』(東洋館出版社 2023) 佐藤正寿監修 宗實直樹・石元周作編著 中村祐哉・近江祐一著 資料代 なし 読んでなくてもお気軽にご…

1453 「見方・考え方」はどうなるか

次の指導要領では、問題解決的な学習よりも、小さな問題解決学習になっていく気がする。そして、「見方・考え方」は働かせるだけでなく、鍛え、育てていくものだという視点がおり強くなる気がする。さらに、「見方・考え方」を活用(子どもが使う)場面に焦…

1452 内から発動する問い

長岡文雄(1986)は、次のように述べます。 私は、先に、「技術化」を瑣末のことのように記した。しかし、教育は技術なしでは動かない。発問技術も板書技術も必要である。技術は習得しなければならない。けれども、人間の根源に培うところの、個を育てる発問…

1451 三田市(兵庫県)社会科研究発表会

こちら、兵庫県三田市の社会科研究発表会です。 ただでさえ社会科を研究している学校は少ないのでめっちゃ貴重です! 昨年度より関わらせていただき2年目になります。 会場校の松が丘小学校は、すべて短学級の少人数学校です。 子どもも純朴で、教員のみなさ…

1450 発問観

この2冊は日本の発問観の変革に確実に影響を与えた書です。 発問を教授と学習を統一する媒介としてとらえる本格的な発問論として登場したのが、1899(明治32)年に育成会により編纂された『発問法』です。『発問法』は、教師が教えたいものをいかにして子ども…

1449 感謝とお願い

発刊して1年が経ちました。今だに多くの方々に読んでいただいているようで感謝しかありません。 ありがとうございます! さて、次年度の『社会科教育』にてまた新たな連載がはじまります。今回は【QAの対話形式】で連載を書き進めていこうと思っています。そ…

1448 「その子らしさ」を考える会

1/20(土)新潟の志田さんと。 よろしければご参加ください(^_^)

1447 いただいた「ギフト」

能登半島地震により被災された皆様、ならびに関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。 皆様の安全と、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。 昨日は教え子のステージを見に行きました。 教え子の晴れ舞台を目の前で見られる幸せ。 いつもこの笑…

1446 どうかご無事で…

眠れない夜を過ごされた方も多いと思います。只々みなさんのご無事を祈るしかありません。https://donation.yahoo.co.jp/promo/20240101.html?cpt_n=noto2024_20240101&cpt_s=oth_&cpt_m=twitter&cpt_c=noto2024_20240101_oth__twitter_%E3%80%80

1445 謹賀新年2024.1.1

今年の日の出は曇りがち。 でも、雲間からしっかりとええのん昇ってきてくれました むしろ雲があるからこそ変わる空の表情が美しくも感じました() 明けましておめでとうございます! みなさまにやさしくあったかい陽光がいっぱい降り注ぎ、それぞれの幸せが…