社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

2022-01-01から1年間の記事一覧

1109 へんな宿題

「宿題は忘れても、教育としては、かまわない場合がある。宿題など忘れてしまうほどの熱中する学習を子どもが展開しているときである。へんな宿題なら忘れて、自分の本気でとり組む学習ができればそれがいいのである。(長岡文雄,1975)」ほんまそうやな。子…

1108 口頭作文

年末なので、PC内を整理(?)しようとしている。 懐かしいものがいっぱい出てくる。 はじめて1年生を担任したときに「口頭作文」に取り組んでいた。 子どもがしゃべったことをそっくりそのまま記録して通信などに載せていた。(1年生の通信だと言うのに筆…

1107 民主教育実践史

インパクトのある表紙だな(^_^;)

1106 複線型の学習へ

子どもの「複線型の学習」を支える教師の役割について考えることが大切。

1105 教育実践史

濃い一冊が届きました。 973ページ(笑 本腰入れて勉強します。

1104 メッカ福澤小学校

ずっと探していた一冊が手に入るとほんと嬉しくなります(^_^) 本書『農村地域社会学校』は、社会科発足に大きく影響を与えた福澤小学校の教師達による書です。戦後の混乱期に熱意をもって学校を創り上げていった教師達の実践報告書です。尊いです。冬にじっ…

1103 日本初の社会科授業

・昭和22年(1947年)1月16日・港区立桜田国民学校・2年生教室「郵便ごっこ」・授業者 日下部しげ(当時49歳)戦後、日本ではじめて行われた社会科授業です。この授業は、重松鷹泰らが書いた社会科最初の学習指導要領『社会科編(Ⅰ)』(以下、「指導要領」…

1102 「ある個性」と「成る個性」

篠原は個性を「ある個性」と「成る個性」にわけている。 「ある個性」とは、子どもが出生と共に有する先天的な特殊傾向、もしくはその自然の発達をさすと説明する。一方、「成る個性」または「成りつつある個性」とはこの先天的傾向が、広義(社会的同化をも…

1101 暗記社会科の入り口は「特設 道徳」の設定にあった?

1958年の学習指導要領改訂によって「特設 道徳」が設定 された。 これによって、道徳は社会科等を中心に学校教育全体を通じて行わなければならない、という戦後教育の原則の一つが崩れてしまった。 当時、社会科は知的なものと実践的なもの(道徳的なもの)…

1100 受動的発動

篠原助市(1953)は、次のように述べる。 「『かのように』といふ場面に存するこの矛盾的性格、與へながら創造せしめ、傳達でありながら獲得であるといふ矛盾的性格こそ教授の本質であり、この矛盾を私は『受動的発動』といふ言葉に表現したいと思ふ。」 教…

1099 量的に質的にみる

質的にも量的にもどちらからも見ていけるようになりたい。 感覚だけでなく、データ分析も効果的にできるようにしていきたい。

1098 ブルーナーの構造学習

山口ら(1963)の『社会科指導内容の構造化』における「指導内容の構造化」を契機として構造論が活発になり、続いて「学習の構造化」「目標の構造化」などが言われるようになった。平田嘉三・香中社研共編著(1966)『社会科における学習構造』や香川県社会…

1097 個別化教育の分類枠

Ⅰ 閉じた目標で、量的な個人差への対応(例)ドリル学習、プログラム学習Ⅱ 開いた目標を立てながら量的な個人差に対応していこうというもの(例)体育で、難易度別コースを設けておいて、児童生徒が自分の現在の運動能力に応じてコースを選び、異なった目標達…

1096 社会的相互交渉への動機づけ

波多野誼余夫・稲垣佳世子(1971)は、 「社会的相互交渉への動機づけは、『仲間の人びとと、情報・影響・寄与ををやりとりする行動』を誘発し、かつそうした行動が実現されれば低減する(充足される)といった性質のものである。」 と述べています。 また、…

1095 日本の社会科

1953年刊。 社会科を真に社会科たらしめようという積極的な意図をもって刊行された一冊。 この本も当時の熱い想いや願いを知ることができる一冊となっています。 ちょうどいいタイミングで手に入った() やっぱり必要な時に必要な一冊と巡り合うもんですね。 …

1094 作文的方法

東井義雄は「作文的方法」について次のように説明しています。 ・一定の形を持たない生命の活動に、形を与えていく方法 ・手にとって見ることのできないものを、手にとって見ることができるようにする方法 ・容易に覗き視することのできない内面的なものに、…

1093 作文を育てる土

東井は、作文教育を農業に例えて、まずは土を作ることが大切だと述べる。土を丁寧に耕せば、作物自ら育つということである。「作文を育てる土」、すなわち「作文以前のもの」を用意し、それを育てる上で最も影響が大きいものが「教師の心構え」だと述べる。 …

1092 社会科と生活綴方

上田薫(1958)は、社会科と生活綴方の共通点を挙げています。・生活綴方が子どもの具体的な生活に基盤をおいているということ・子どもの主体性が確保されているということ・つねに動く不安定のなかに、そのまま安定を発見するということです。 生活綴方は子…

1091 デザイナーとしての教師、アクターとしての教師

買って若手に渡したことがある本です。 よい本です。 絶版ですが、オンデマンド版で購入することができます。 https://www.kanekoshobo.co.jp/book/b184150.html

1090 授業の事実をみる

最近撮っている授業ビデオを部分的に見るのが多かったが、1時間まるごと見るのはひさしぶりです。 やっぱりおもろい。 最近は全体を見るだけでなく、ある子に焦点をあててみるようにしている。 その子が何をしていたのか、どう反応したのか、どう発言したの…

1089 有言実行

若い頃、年度のはじめに子どもたちに宣言することがありました。 「私も1年間必ず続けるものをつくるから、君たちも何でもいいから何かしてみない?」と。 その続けるものとして、次の3つを挙げていました。 ① 毎日「本日の話」をすること ② 毎日学級通信を…

1088 徳永康起

森信三をして、「明治以後のわが国の教育界おける『100年一出』の巨人」、「超凡破格の教育者」と言わしめた人物。 「私を『開眼』させてくださった」と東井義雄に言わしめた人物。 それが、熊本の小学校教師、徳永康起です。 僕は長年、氏の存在を知りま…

1087 山田勉と芸術家

山田勉の書籍にはよく美術家の名前が登場し、引用されています。 奥村土牛、林武、東山魁夷、ドガなど。 「画家が見えるものの裏に、つまり見えないところに本質を見ることを伝えている」 「芸術家のこの見つめる心のようなものは、実は教師が子どもを見る時…

1086 連続した追究

「対象と自分との関係を持続させていくこと」が重要だと山田は述べます。具体例として、小学校の5年生の工業の学習を紹介しています。ある工場について徹底的に学習させた後、その工場の分析を通して日本の工業をとらえようとした学習です。その後の商業の…

1085 Uターンのある授業

「生活的基礎観念」とは、個人の生活、文化や風土などが相互的に作用されてできあがる個性的な生き方のことを指します。同じ学級の中で学習していれば、この「生活的基礎観念」はそれぞれの子どもで関わり合う部分が出てきます。それが同じ事象を見るための…

1084 「源流」から流れ続けるもの

この本、ほんと好きです。 先人に敬意をもちながらその想いや技術、文化を受け継ぎ、実践し、創造し、また追究していく。それが確かな跡となり、後生にもまた引き継がれていく。脈々と続いてそれは途切れることのないもの。ほんと、「道は果てしない」。以下…

1083 「2022年間ベストセラー」感謝!

明治図書さんの2022年間ベストセラーの総合ランキングの第5位に拙著が入っていました。 (統計的に人気のない)社会科という教科の書でランクインさせていただけたことに正直驚いています。 「発問」というジャンルで汎用性を高くして読んでくださった方が…

1082 縁

「教育という行為を、原因―結果の論理でとらえるとともに、縁を加えることによって、心理学や社会学などが提供する子ども研究の成果を、教育にほんとうに活かすことができる。縁を加えて教育をとらえると、この縁を活かそうとする主体的な構えが生まれる。こ…

1081 「個性を生かす」とは

そもそも「個性」とは何なのでしょうか。 「個性を生かす」とはどういうことなのでしょうか。 篠原助市(1935)は『増訂 教育辞典』(宝文館)の「個性と教育」の項で、教育の立場から見ての個性の捉え方について次のように述べています。 「教育上の見地よ…

1080 全身全霊

「問題解決学習の原型は、未分科時代の低学年においてもっともとらえやすいのではなかろうか。」(『考える子どもNo54』1967年 より) ほんと、そう思う。 低学年の子はいっぱいの問いを生み出し、全身全霊で体当たりをしている。