社会のタネ

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1970 ゆさぶりよりもゆり動かす

1960年代ごろから「ゆさぶり」発問が取り上げられるようになり、ゆさぶり発問というテーマで国語、算数、社会、理科の4教科で発問研究がまとめられました。
「ゆさぶり」発問は、機械的に扱うものではなく、授業観や指導技術観、子ども観など、「観」の問題です。
子どもの内側からつき動かすエネルギーを引き出し、子どもの主体性を発揮できるようにするというイメージです。
そういった意味でも、上田薫(1988)が「ゆり動かす」という表現を使っているように 、私も「ゆさぶり発問」よりも、「子どもの内からゆり動かす働きかけ」と表現する方が望ましいと感じます。
以下、「ゆさぶり」というテーマに関する文献。

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青木幹勇(1976)『国語科ゆさぶり発問』明治図書
重田純堯(1976)『算数科のゆさぶり発問 』明治図書
山崎林平(1976)『社会科のゆさぶり発問 』明治図書
山井重雄(1976)『理科ゆさぶり発問』明治図書
吉田章宏(1977)『授業を研究するまえに』明治図書,pp. 216-219
以下、掲載された文献を列挙する。
斎藤喜博(1960)『授業入門』国土社
斎藤喜博(1963)『授業−子どもを変革するもの−』国土社
・武田常夫(1963)『文学の授業』明治図書
・宮坂義彦(1970)「発問を考える」『教育』第251号,pp.51-64.
・吉田章宏(1972)「『ゆさぶり』概念の検討」『教授学研究3』国土社,pp.24-50
・武田常夫「授業での『追いこみ』ということ」『教授学研究3』国土社,pp.100-117
・武田常夫(1973)『イメージを育てる文学の授業』国土社
斎藤喜博(1973)「斎藤喜博対談5「演出と教育・広渡常敏―斎藤喜博」『斎藤喜博の個人雑誌、開く』第五集、明治図書,pp69-89.
・首藤昭五(1973)「集団の思考をゆさぶる学習課題とは」『授業研究123号』明治図書,pp.40-45
・吉本均(1974)『訓育的教授の理論』明治図書
・吉田章宏(1974)「ゆさぶりと視点」『教授学研究4』国土社,pp.54-95.
・(1974)「特集、授業のヤマ場で思考をどうゆさぶるか」『理科教育第63号』明治図書
・相馬弘直(1974)「こどもの心をゆさぶる発問とは」『授業研究第134号』明治図書
・吉田章宏(1975)『授業の心理学をめざして』国土社
・早田修三(1975)「学習集団としての授業」『現代教育科学 第212号』明治図書,pp44-53.
・吉田章宏(1975)「『発問の機能』の発生的研究を」『授業研究 第143号』明治図書,pp5-10.
・吉田章宏(1975)「教授学における構造・機能・目的」『教授学研究5』国土社,pp79-89.
・吉田章宏(1975)「特集―『ゆさぶり』発問による学習の深化」『国語教育 第208号』明治図書
・氷上正(1975)「『ゆさぶり』発問でねらう効果は何か」『国語教育 第208号』明治図書,pp.5-1.
・氷上正(1976)『教材解釈と授業展開』明治図書,pp.171-185
・早田修三(1975)「『ゆさぶり』発問の型と方法―限定・類比・否定によるゆさぶり-」同前号,pp5. -24.
・青木幹勇(1975)「『ゆさぶり』発問のつくり方、教材分析による発問づくり」同前号,pp. 25-33.
・前沢泰(1975)「『ゆさぶり』発問が生きるための条件」同前号,pp. 43-50.
・安藤操(1975)「詩における読みとり方とイメージ化」同前号,pp. 63-68.
・吉田貞介(1976)「子どもの情意面のゆさぶりを」『現代教育科学 第225号』明治図書,pp. 79-81.
・山崎林平 他(1976)『社会科のゆさぶり発問 』明治図書
・重田純堯 他(1976)『算数科のゆさぶり発問 』明治図書
・青木幹勇 他(1976)『国語科ゆさぶり発問』明治図書
・山井重雄 他(1976)『理科ゆさぶり発問』明治図書
・吉本均(1976)「『否定的媒介者としての教師』の役割」『授業研究年鑑・76年版』明治図書,pp. 14-16
斎藤喜博(1976)『授業の可能性』一茎書房
・片岡徳雄「集団思考における統制と自由」『授業研究 第164号』明治図書,pp. 5-9.
・霜田一敏「授業における教師の出方」同前号,pp. 10-14.
・早田修三(1967)「集団思考を促す学習活動とは」同前号,pp. 40-45.
今村資泰(1981)「低学年授業における『ゆさぶり』発問」『国語科のゆさぶり発問』明治図書,pp. 28-29.
上田薫(1988)『未来にいかなる光を』黎明書房,p. 68.
長岡文雄(1976)「中学年授業における『ゆさぶり』発問」『社会科のゆさぶり発問』明治図書,p.75.