社会のタネ

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915 話し合いはなぜ学びによいのか?

 ここでは、「話し合い」を、根拠や理由を述べながら問題を解決したり、よりよい意見を見出したりすることと定義する。

お互いの根拠や理由を挙げながら、意見が正しいのかそうでないのか、新たな考えが創出できないかを共同的に考えることを意味する。

決して、感情的になったり、対立的になったりするような話し合いではないことを最初に述べておく。

 

 さて、そのような「話し合い」は学習においてなぜ効果的なのか。

以下に4つ述べていく。

 

 1つ目は、学習対象に対する動機づけが高まるからである。

「話し合い」をしようとすれば、自分で発言する内容を自分で決めることになる。

「自分で決める」ということで主体的な態度になることが考えられる。

また、話し合う中での人の意見との「ズレ」から、それを確かめようと探究的な態度を生むことができる。

 

 2つ目は、理由や根拠を探す中で推論が促され、学習内容に対する理解が深まるからである。

自分だけでは考えが及ばなかった意見も出されることで、多面的に物事を見ることができるようになる。

 

 3つめ目は、汎用的に使える「話し合う力」が獲得できるからである。

「話し合い」が意見や根拠や理由から構成されていることを知り、意見の正しさを証明するには根拠や理由を組み合わせることが必要だと理解できるようになる。

「話し合う力」は話し合うすることでしかつかない。当たり前のことではあるが、真である。

 

 4つ目は、学級として新しいアイデアやアイデアをよくしたりすることで、学級に貢献できるからである。建設的な「話し合い」をすることで、学級の向上的な雰囲気が醸成されていく。集団の学ぶ雰囲気が高まれば、個人の学ぶ意欲も高まる。その逆も同じである。

 

『主体的・対話的で深い学びに導く学習科学ガイドブック』大島純 千代西尾祐司 編(2019)北大路書房p111を参考に