8月によく読み返す本です。
本書は、陸軍初の特別攻撃隊「万朶隊」操縦士、佐々木友次さんの体験についての話。
佐々木さんは9回の特攻出撃をし、戦果を上げつつ生還しています。
理不尽な命令に反抗した理由は極めて現実的な思考からでした。
著者は、特攻以外の例も出し、「みんななんとなく問題だと思っているのに、誰も言い出さないから「ただ続けることが目的」となっていることが、この国ではとても多いのじゃないかと僕は思っている」と述べています。
「世間(社会)」とは与えられたもので、社会を個人で変えていくことはできないと考える傾向が強いのではないかと指摘しています。
最後の1文にはゾッとしました。
しかし、この佐々木さんのお話は今の時代を生きる私たちへの警鐘であると共に、一筋の希望でもあると感じます。