社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

820 教師の立往生

教師が立往生するような授業はすばらしい。人間は立往生でこそ裸になる。そこから道を切りひらいてこそ活力ある授業が展開できる。眼前にいる子どもをどれだけ深くとらえることができているか。深くとらえるほど教師は立往生し、また深くとらえるゆえにその打開もまた可能だということである。そういう世界から遠いところにいる教師たちに、人間としての視野と奥行きを求めても、しょせんむだだということであろう。

 

          上田薫(1986)『教育をゆがめるものはなにか』国土社