社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

1222 1.GIGAスクール構想(子どもの「複線型の学習」を支えるICT活用と教師の役割 より)

 こちらに掲載していただいた論文ですが、冊子が手に入りにくいようですので、ブログにて10回に分けて紹介させていただきます。

 よろしければお付き合いください♪

 

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子どもの「複線型の学習」を支えるICT活用と教師の役割

1.GIGAスクール構想

2019年12月19日、文部科学省は萩生田大臣 を本部長とするGIGAスクール実現推進本部 を立ち上げた。GIGAスクール構想が正式に はじまった日である。この日に出された萩生 田大臣のメッセージの次の一文が印象に残る。

  この新たな教育の技術革新は、多様な子
 どもたちを誰一人取り残すことのない公正
 に個別最適化された学びや創造性を育む学
 びにも寄与するものであり、特別な支援が
 必要な子どもたちの可能性も大きく広げる
 ものです。

子どもたちの多様性に応じて誰一人取り残 すことがない教育、子どものもつ創造性や可 能性を十分に拡張していく教育を行うべきだ という強い覚悟と想いが感じられる。 現在、このメッセージに込められているよ うな想いのある授業が実現されているのだろ うか。GIGAスクール構想における授業づく りで留意するべきことは何だろうか。3年経 った今、一度示されたことを見直すべきだと 筆者自身も感じている。 そこで本稿では、まず一人一台端末環境の 実現による学習の質的変化について論じる。

具体的には、教員のICT活用から子どもの ICT活用への変化、学習活動や学習形態の変 化、学習の構造の変化について、筆者が実 践・研究をしている社会科を事例として挙げ ながら説明する。さらに、このようなGIGA スクール構想のもと、多様な学習が行われる 中での教員の役割についても論及し、最後に 今考えるべき課題について述べる。