社会のタネ

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446 『歴史人物エピソードからつくる社会科授業42+α』山の麓の会

本研究会より書籍を発刊いたしました。

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それが、この度大変ありがたいことに「明治図書社会の書籍ランキング」で1位となりました!

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お手にとっていただいた皆様のおかげです。
本当にありがとうございます!

 

「今はじめて知った!」という方も、もしよろしければ、お手に取っていただけると幸いです。

アマゾンはこちらからです。

www.amazon.co.jp

 
以下、内容について記していますので、ご参照ください。
よろしくお願いいたします。
(「はじめに」より)
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本書の特徴は、
1 新学習指導要領で挙げられる歴史人物42人をすべて列挙した点
2 歴史人物学習のねらいを意識した構成にしている点
3 歴史人物エピソードと日々の授業づくりを結びつけた点
です。
 「歴史自体は好きだけれど、歴史の授業は難しい」という声をよく聞きます。本書は、歴史授業づくりに困っている方、少しでも歴史授業をおもしろくしたいと思われている方、新学習指導要領に沿った歴史人物学習をしたいと思われている方に捧げます。
 こだわったのは、単なるエピソード本にするのではなく、それをもとに授業づくりができるように構成した所です。歴史人物エピソードを中心に、日頃の社会科授業づくりの改善を目指した提案とも言えます。
授業の中で歴史人物エピソードを活用する際の意図、活用する場面を記しています。目の前の子どもたちに合わせて効果的にアレンジしてお使いください。詳しくは、「本書の構成と扱い方」に記しています。ご参照ください。
本書は、授業研究会『山の麓の会』のメンバー全員で分担し、執筆しました。すべての原稿を会員全員で目を通し、何度も検討を重ねています。我々が共同研究で授業づくりを行ってきたことをもとに執筆している頁、そうでない頁があります。個人実践を参考に執筆している頁、あくまでも「案」として執筆している頁もあります。この点は、今後我々の研究を通して実証していきたいと考えています。
執筆する際、我々が常に描いていたのは、子どもたちが歴史学習の「おもしろさ」を感じてくれている姿です。そのために、授業のねらい、構成、エピソード活用方法等、試行錯誤を重ねました。我々の想いや願いをこめています。忌憚のないご意見をお聞かせいただけると幸いです。

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『歴史人物エピソードからつくる社会科授業42α

本書は、歴史人物エピソードを中心となっていますが、エピソード本ではありません。

エピソード本となれば、その他数多く出版されている重厚なエピソード本にはかないません。

本書の特徴は、そのエピソードを授業の中で使用するとすれば、どのような使い方ができるのかを提案しているところです。

つまり、本書は、歴史人物エピソードを活用した「授業づくりの本」です。

1章は、「小学校社会科における歴史人物学習」についての概要やエピソードを活用した授業づくり、本書の使い方

2章は、42人+α人物授業の具体事例

3章は、歴史人物中心につくる1時間授業案

という構成になっています。

学習指導要領に明記されている歴史人物42人を網羅しました。

さらに、これから注目されるであろう人物としてプラスα数人を加えています。

ご自身の歴史授業にちょっとしたスパイスを加えたい方、ちょっと豊かな歴史授業づくりを考えておられる方に手に取っていただければ幸いです。

 

【第1章】

第1章では、「そもそも歴史人物学習とは何か」を中心に描いています。

ページ数は少ないですが、できるだけ端的に伝わるように意識して書きました。

・歴史の学習とは

・なぜ義務教育で2回も歴史学習をするのか

歴史学習の歴史

・なぜ歴史人物の学習なのか

歴史学習の方法論と目的論

・なぜエピソードを活用するのか

 

【第3章】

「歴史人物 エピソードからつくる社会科授業42人+α」の第3章は、1時間授業の提案です。

これは、会のメンバーが実際に実践した内容をもとに作成しています。

歴史人物のエピソードを活用し、「授業をすると、こんな感じになります」という提案です。

1時間まるごと実践授業案ですので、そのまま授業をしていただけるように構成しました。

 

【+α人物】

『歴史人物エピソードからつくる社会科授業42α』の中に、42人「+α」として、

43徳川慶喜

44津田梅子

45北里柴三郎

46田中正造

47渋沢栄一

48ダグラス・マッカーサー

49古橋廣之進

を入れました。

実は、最初に候補となっていた人物は以下の人物たちでした。

竹崎季長

松浦武四郎

仁徳天皇

高杉晋作

新渡戸稲造

津田梅子

蘇我氏

田中正造

卑弥弓呼

千利休

平賀源内

大塩平八郎

坂本龍馬

岡倉天心フェノロサ

武田信玄

上杉謙信

伊達政宗

与謝野晶子

手塚治虫

杉原千畝

徳川慶喜

北条政子

フビライハン

平塚雷鳥

渋沢栄一

北里柴三郎

柳宗悦

古橋広之進

湯川秀樹

一休

天草四郎

シャクシャイン

雨森芳洲

山田孝野次郎

斎藤隆夫

マッカーサー

柳田國男

増永五左衛門

棚田 嘉十郎

新島八重

山本作兵衛

大内義隆

吉田松陰

後藤新平

山上憶良

明智光秀

岩倉具視

田畑政治

 

 

【参考文献】

本書のエピソード頁の下側には、必ず〈参考文献〉を入れています。

さらに詳しく調べて見たいときは〈参考文献〉に当たってみてください。

授業で活用できるエピソードが多く眠っています。

また、子供が歴史人物から生き方を学ぶと同様に、我々も歴史人物を学ぶことで、生き方や考え方も揺さぶられるのではないでしょうか。

〈参考文献〉は、教師自身が知識を増やすためや楽しむための読み物としての活用も考えられます。

その人物について知るために、どの文献にあたればいいのかを探すことは正直大変でした。

複数の文献の中から、「探しやすさ」や「読みやすさ」「内容のおもしろさ」等を吟味して〈参考文献〉を選択し、それぞれのページに記載しています。

ぜひ、「歴史人物の世界」に浸ってみてください。

ちなみに、本書全体を通しての参考文献は以下の通りです。

〈参考文献〉

歴史学習の教材と指導のアイデア』溝上泰・片上宗二・北俊夫(1995)明治図書

『6年「小学校らしい歴史学習」のヒント』中野重人(1990)明治図書

『初等社会科教育』吉田武夫 監修 井田仁康/唐木清志 編著(2018)ミネルヴァ書房

『人物・物語を重視した歴史学習』山口 康助、水原小学校(1975)

歴史学習の基本と実践人物・文化遺産を中心としてー』古川清行(東京書籍)1980

歴史学習の理論と実践』星村平和(1991)東京書籍

『教科書・歴史人物面白クイズ』勝又明幸(明治図書1995

『重要人物で覚える日本の歴史』山口正(朝日新聞出版)2013

『歴史人物42人学習活動ヒント事典』北俊夫 編(明治図書1994

『社会科教育No608 200912月号』(明治図書

『社会科教育No532 200311月号』(明治図書

『現代感覚で解く「歴史人物」資料集』西尾一、平光雄(明治図書1994

『歴史人物42人指導法事典』社会科教育2月号臨時増刊(明治図書

『歴史人物辞典』山口康助 浅香勝輔 平田嘉蔵 編(ぎょうせい)1975

『教科書にない疑問にこたえる歴史資料集』西尾一/平光雄(明治図書1993

『目で学ぶ楽しい歴史学習』高野尚好/石栗正夫 編(教育出版)1990

『子どもが追究する社会科の授業6年』次山信男/羽豆成二 編(教育出版)1991

『この教材・発問で歴史の授業が変わる』伊藤充(明治図書1988

『人物氏で学ぶ歴史教育』宮原武夫/臼井嘉一 編著(あゆみ出版)1984

https://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-289010-9

 

 

【著者インタビュー詳細】

https://www.meijitosho.co.jp/eduzine/interview/?id=20200543

今回は山の麓の会の先生方に、新刊『社会科授業サポートBOOKS 歴史人物エピソードからつくる社会科授業42α』について伺いました。

本書は、『小学校学習指導要領解説 社会編』にあげられている歴史人物42人にまつわるエピソードと、それを活用した授業づくりについて詳しく書かれています。歴史人物のエピソードを活用する魅力とは何でしょうか。

 石元:一番は子どもの興味・関心を高めることができることでしょう。エピソードはその人物の物語であり、物語には力があります。物語からその人物を身近に感じたり、生き方に共感したりすることができ、それがきっかけとなって歴史学習そのものが好きになる可能性があると考えています。

「ただのエピソード集ではない」というところにこだわられたということですが、そのこだわりを教えていただけますか。

 有馬:歴史人物のエピソード関連の書籍は数多くあり、インターネットで情報を手に入れることも容易です。私たちは、そのエピソードから授業をつくったり、授業づくりにエピソードを活用したりしたいと考えました。子どもたちに歴史の面白さを教え、社会科の資質・能力の育成を目指して、とことん、授業づくりにこだわりました。「授業づくりの研究会」が「山の麓の会」だと思っていただければと思います。

本書では、エピソードを活用する場面を「つかむ」「調べる」「まとめる」に分けて示されています。どこでどんなエピソードを活用するか、どんな基準で考えられているのでしょうか?

 田村:どれだけ魅力的なエピソードでも、使う場面や方法を事前に計画しなければ、授業のねらいを達成できなかったり、子どもたちの思考の流れを遮ってしまったりします。

 そこで、本書では「つかむ」「調べる」「まとめる」という社会科の授業構成を大切に、どこでエピソードを活用すれば効果的かを整理しました。

 「つかむ」のエピソードは、興味・関心を高めたり、問いを生み出したりすることができます。「調べる」では、人物の言葉や行動の意味を考えさせることで、歴史的事象についての理解を深めさせることができるエピソードを選びました。そして、「まとめる」では、ふり返る内容を豊かにできるエピソードや、課外での追究につながると期待できるエピソードを選んでいます。

 このように、本書のエピソードを活用することで、授業のねらいが達成できるものと想定しています。

様々なエピソードが掲載されていますが、特に印象に残っているエピソードはありますか?

 中島:私個人の意見では、小野妹子が親書を紛失したエピソードが印象に残りました。私も驚きましたが、それ以上に児童が驚くと思います。その驚きを原動力にすれば、「もっと知りたい」という意欲が高まり、児童が積極的に思考する授業をつくりあげることができると思います。

 印象に残るエピソードは、読者によって異なるはずです。本書のエピソードからは、新たな知識を得るだけでなく、驚きを感じることもできると思うので、楽しみながら読んでいただければと思います。

本書では、42人の人物のほかに、7人の歴史人物が取り上げられています。この7人を選ばれた理由を教えてください。

 木下:まず、42人と比較して学習を深めたり、歴史的事象を多角的に見られる人物を、古くは「卑弥弓呼」から約40名を拾い上げ、吟味しました。そして共同研究・実践を行った人物を優先的に選び、次に子どもたちが日常的に、また他教科でも目にする人物に絞りました。新紙幣の肖像となる3人はその典型です。さらには、戦後史の学習を充実させるための人物を選択しました。

読者のみなさんへメッセージをお願いします。

 宗實:歴史人物の「エピソード」からつくる授業書は多くありません。そういう意味では、みなさまの歴史授業をちょっと違った角度からちょっと豊かにできる書になったと自負しています。本書を手元に置いていただき、手軽に活用していただけると幸いです。

 「山の麓の会」では、これで終わりにするのではなく、本書の実践を再度授業を通してバージョンアップしていくつもりです。まだまだ授業づくりを愉しみます。ぜひ読者のみなさまも共に!

 「山の麓の会」の月1の定例会にご興味ある方は、下記アドレスまでご連絡ください。どなたでもご参加いただけます。

 yamanofumotonokai@gmail.com

 

【イラスト】

本書のイラストは蟻ヶ谷有さん。

当研究会「山の麓の会」会員の有馬氏の娘さんです。

イラストレーターの卵。

とっても素敵なイラストに仕上げてくれました

これからいろんな場で活躍してほしいです。

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