4月当初の学級は、「集団」というよりも、まだまだまとまりのない「群れ」のような状態です。「学級集団」として高めていくためにもよりよい学級目標の設定が欠かせません。
【まずはじめに】
「学級目標=ゴールイメージ」です。
3月の終業式の時には学級がどのような状態になっておきたいのか、まずは教師が明確にもちましょう。
【いつ決める】
すぐには学級目標を決めません。教師はまず、学級目標の大切さを語ることが大切です。
そして、焦らずにじっくりと決めましょう。理由は、4月はじめでは、学級の実態や進むべき方向性がまだみえないからです。学級生活が動き出して、子どもたちが学級や仲間を意識するようになってはじめて学級目標が生きてきます。
実態を十分に把握できた5月半ばぐらいが決める時期にはいいですが、いつ決めるべきかという「基準」をもちましょう。
例えば、
・全員で何かを達成することができたときや、逆にできなかったとき ・学級集団としての意識や、個々の想いや願いが日記などに見え始めたとき ・集団としてのあり方に疑問が出されたとき |
などです。学級の実態に合わせて設定時期を決めましょう。
【どうやって決める】
学級目標の決め方には様々な方法がありますが、大切にしたいことは、子どもたちの願いや想いです。
そして、
①ノートにクラスで大切にしたいことなどを書かせる。キーワードだけでもよい。
②書いたものをペアで読み合う。
③4人グループで読み合う。
④グループで読み合って文章をつくる。
⑤できた文章を集めて、数名の実行委員で比べ合ったり付け加えたりしながらたたき台をつくる。
⑥教師を含め、全員で検討し、全員で承認する。
⑦学級目標を達成させるために自分ができることを各個人で自己決定する。
【決めた後が大切】
ただの飾りになってしまわないようにしましょう。そのために、
○その活動をすることでクラスがどうなるのか。どうしたいのか。
このようなことを学級として活動するときは常に意識させます。
行事ごとやことあるごとに学級目標を意識した取り組みをしていきましょう。
◯学級目標をふり返る機会を
大切なことは、学級目標のもとに学級の子ども一人ひとりが繰り返し自分を見つめ直し、今自分にできることは何なのかを考え、自分の目指すべき目標に向かって実践していくことです。
- 日常的に書いてふり返る。
日々の生活の中で、折に触れて書かせることで、学級目標についてふり返らせましょう。
行事の前や行事の途中、事後に書かせるのも効果的です。
- 帰りの会でふり返る。
例えば、帰りの会の「友だちのいいところみつけ」で、学級目標を意識した発言があれば、それを価値付けて称賛します。
C「○○さんが、廊下の隅々の汚れを見つけてきれいにふいていました。」
T「学級目標の「自分で気づいて動く」という言葉にぴったりの行動ですばらしいですね!」
- ふり返りを可視化する。
学級目標達成に向けて努力ができれば、その努力の跡が目に見えるように、星やハートのマークなどで教室に掲示します。
【学級目標達成につながるアイデア】
◎学級シンボルづくり
学級目標を受けて、全員でつくりあげるのが学級のシンボルです。シンボルづくりは、学級としての連帯感を育み、つくる過程での関わりは、学級への所属感や満足感のもとになります。
学級目標の精神や言葉を織りこんだものをつくるといいでしょう。
・学級旗づくり
運動会の応援、校外学習の時の目印、宿泊的行事でも活用できます。
・学級キャラクターづくり
学級通信への記載や、マスコットづくりなど、キャラクターを使った様々な活動が考えられます。
・学級歌づくり
学級歌の歌詞を学級目標の隣に貼り、朝や帰りの会のプログラムに入れて歌うと効果的です。
かえ歌から作成するとつくりやすいです。
これらの活動は、学級会の議題として提案されるように、子どもたちの自治的・自発的な活動として展開したいものです。
※学級目標をつくるだけではなく、今後、学級目標の実現のための実践を積み重ねていくことで、目指すべき学級の姿に近づいていくのです!