加藤賀一(1977)『子どもに学ぶ道』秀英出版
本書の序文は山田勉氏が書かれています。
その中に、
「読む人を意識しないで書かれた実践記録は、事実を語っている。私たちは、そこから教育のあるべき姿と、子どもの実像をつかみ出したい。そして、明日の教育実践の糧を得たいと思う。」
と記されています。
確かに、読む人を意識して書かれた実践記録と、意識しないで書かれた実践記録があります。
本書は後者です。
あえてその当時のままの記録のままにされてあります。
「今手を入れることは、記録としての意味を失ってしまう。」
と山田氏は述べています。
著者の加藤氏の記録の中には、戦時中のものもあります。
「すごいな」と思います。
「読む人を意識しないで書かれた実践記録」は、世には出ずに眠っているものがたくさんあるんだろうなぁ、と思います。
眠っている様々な方の実践記録を引っ張り出して集め分析していくことは、非常に価値ある仕事なのではないかと感じています。