社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

723 好きなもの

4年前の記事です。
学生時代、古着屋さんをしたいと本気で思っていました。
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 この夏、実家の物置を調べた。ダンボールの中からひとつのジーンズがでてきた。
色落ちしたジーンズ。
リーバイス66(通称「ロクロク」)の前期モデル。
学生時代に7万円で購入したものだ。
今考えてもびっくりするような値段で購入している。
それに、履き倒していた記憶がない。
購入したもののもったいなすぎて保管しておいたのだろう。
とにかく当時、ヴィンテージにハマっていた。
いや、「取り憑かれていた」という方が正確かもしれない。
神戸、大阪の古着屋をさまよい歩いていた。
なぜそんなに好きだったのか。
 
 まず1つ目にそのものがもつ「味」だ。
ひとつひとつの違い。ひとつひとつまるで同じものがない。
まさに「唯一無二」。
少し破れてたりしていてもまたそれが「味」。
色あせていたとしてもまたそれも「味」。
愛おしさを感じるのであろう。
 
 2つ目は、「歴史」。
そのもの自体に歴史を感じるのである。
その当時の製造技術、製造されていた時代背景、製造過程など…さまざまな歴史が脳裏をかすめる。
その時代を生きてきた証でもある。
そこには新しいものにはない魅力がある。
 
 3つ目は、「発見」。
古着は当然一点もの。
あちらこちらで探し回る。
まるで宝を探す冒険家のような気分になる。
それ自体が愉しい。
自分自身で探し出した時の喜びは格別だ。
タグを見る。
タグを調べる。
ジッパーを見る。
ジッパーを調べる。
細部を見るたびにまた発見がある。
デッドストックを発見した時の喜びは格別だった。
しっかり「育てていこう」と思った。
 
 今は「取り憑かれている」ということはない。
しかし、やはり「味」があるものが好きだ。
「歴史」を感じるものも好きだ。
自分が購入するものもどこかこう味があったり歴史を感じたりするものが多い。
藍染であったり革ものであったり。
時間とともに変化が愉しめるものが好きなのだ。  
 
 世の中には「新しいもの」が溢れている。しかし、決して新しいものだけが「よい」とは限らない。