どの教科書にも、目次の中に「せんたく」という文字があります。これは、学習指導要領上、いずれかを選択して学習すればいいということです。
例えば、ある教科書では以下のものが「せんたく」となっています。
- 3年生 工場ではたらく人びとの仕事
畑ではたらく人びとの仕事
- 4年生 ごみのしょりと活用
下水のしょりと再利用
- 4年生 くらしをささえる水
わたしたちのくらしと電気
わたしたちのくらしとガス
- 4年生 水害による災害
地震による災害
津波による災害
火山による災害
雪による災害
- 4年生 原野に水を引く
産業をゆたかにする
自然を守る運動
村の立て直しにつくす
医りょうにつくす
- 4年生 土地の特色を生かした地域
伝統的な文化を守る
- 5年生 あたたかい沖縄県に住む人々のくらし
寒い土地のくらし−北海道旭川市−
- 5年生 水産業のさかんな地域
畜産業のさかんな宮崎県
くだもの作りのさかんな和歌山県
野菜作りのさかんな高知県
- 5年生 自動車工業のさかんな地域
わたしたちのくらしを支える食料品工業
わたしたちのくらしを支える製鉄業
わたしたちのくらしを支える石油工業
- 5年生 情報をつくり、伝える
放送局のはたらき
- 5年生 情報を生かして発展する販売業
情報を生かして発展する観光業
医療に生かされる情報ネットワーク
- 5年生 環境とわたしたちのくらし
大和川とわたしたちのくらし
- 6年生 わたしたちの願いと政治のはたらき
自然災害からの復旧や復興の取り組み
経験をむだにしないまちづくり
事例はそれぞれ違いますが、最終的に獲得する中核概念(単元のねらい)は変わりません。
例えば、②であれば、「廃棄物の処理と再利用」という学習内容の事例として「ごみ」か「下水」を扱うということです。
③であれば、「安定した供給」という学習内容の事例として「水」「電気」「ガス」のいずれかを扱うということです。
これらの「せんたく」の事例を子ども達に選ばせてそれぞれがそれぞれの学習を進めるという方法です。教科書を活用した「学習の事例地」の複線化です。
ただ、④や⑤等は、子どもたちの居住地域にふさわしい事例を選択し、地域教材として学習することが望ましいです。
子どもの多様な学びに対応し、子どもによる「選択」を取り入れた学習ができるよう、「学習の複線化」を意識しておきたいものです。