社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

1313 フィールドワーク

地域性を捉える上で、何に着目するか、どのように調査をするかなどについて事例を通して示されている。例えば民家のつくり、農具、伝統工芸品など…実に具体的に述べられている。
 自分がなぜフィールドワークを好むのか? まず1つ目は、「情報収集」が多くできることである。しかし、様々な情報を集めるだけではだめである。情報を集め、思考を通すことで整理され、知識となる。またさらに新たな情報を得ることで知識の幅も広がる。フィールドワークを行うことは自分自身の知識を豊かにすることに他ならない。また、普段、あちこちに転がっている情報にも敏感になる。すると、様々な情報が自然と目に入るようになる。情報を探すアンテナが研ぎ澄まされていくのであろう。
  2つ目は、「問い」を設けることができることである。行けばわかることがたくさんある。と同時にわからなくなることも出てくる。自分自身の中に新たな「問い」が設けられるということである。行って体験することでさらに調べたい意欲が沸き起こる。自分自身の「知っているつもり」を覆すことができる。常に「なぜだろう?」と思える感覚をもつことは、現地にいくことで磨かれる。学びは「問い」をもつことからはじまるのである。
 3つ目は、「新鮮な感動」を得ることができる。そこには「ホンモノ」があるからである。人、もの、こと、様々であるが、「ホンモノ」に触れると心が揺さぶられる。「おもしろい」「きれい」「すごい」などの感覚を大切にしたい。また、行くことでとにかくワクワクするものだ。自分が思っていた通りであればそれはそれで感動する。自分の想像とのズレがあればまたそれはそれで面白みが在るというものだ。
 市川建夫氏は「問題意識を常にもって、どこへ行っても同一課を調査していると、国内の地域対比ができるばかりか、やがて諸外国との比較研究も可能になる。」と述べている。そして、「地理学を勉強すると、人生は二倍楽しくなる」とも。体験は理解の幅を広げ、その深さを増してくれる。見ていないこと、体験していないことを語るのではなく、まず行って体験すること。現地主義を貫きたい。