社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

1484 子どもの「制作」

学校教育にみる〈ものつくり〉は、明治時代以降の手工科教育や図画、臨画教育に始まる。
大正時代には「自由画」教育など創作 性を重視する傾向が生まれたものの、学校教育では 依然として技術習得に重点を置く授業が主流であっ た。
現在も、子どもの〈ものつくり〉が表層的な工 作や描画の真似事、または作業にとどまり、いわば 材料と時間を費やすだけの消費活動に陥ってしまう ケースは少なくない。
図画工作科の学習指導要領で用いられる言葉は「製作」だが、その本来の語義に従うなら、図画工作科における「製作」は、創造と は関わりのない作業労働に傾きやすく、材料をただ 消費するだけの活動に終わる恐れがある。
児童が心を込め、自分なりの表現を楽しんで「制作」するためには、材料や技法を選び、心や頭を自由に働かせて工夫する過程が必要である。