1. どの子も主体的に学ぶ有能な学習者であるという立場に教師が立つこと
教師は、すべての子どもが潜在的に有能な学習者であるという信念を持つことが重要です。
これは、子ども一人ひとりが自分の力で学ぶ能力を持っており、それを引き出すのが教師の役割であるという視点です。
この考え方は、教師が子どもたちを単なる知識の受け手としてではなく、学びに対して主体的に関与する存在として尊重することを意味します。
どの子も可能性を秘めているという前提に立つことで、教師は子どもに対してより多くの信頼を置き、自己主体の学びを支援できるようになります。
2. 教師の知識や技術を子どもに譲り渡す展望をもつこと
教師が持つ知識や技術は、最終的には子どもたちが自分のものとして活用できるように譲り渡されるべきです。
これは、教師が主導的に教え続けるのではなく、子どもたちが自立してその知識を使いこなせるように支援するという長期的な展望を持つことを示しています。
教師の役割は単に「教える」ことではなく、子どもが自分で考え、学ぶための根を養うことにあります。
したがって、教師は自分の知識やスキルをどう伝え、子どもたちがそれをどのように使えるようになるかを常に意識しておく必要があります。
3. 手渡すべき知識や技術を教師が身につけ、磨くこと
教師自身が深い知識や高度な技術を持っていなければ、それを子どもに譲り渡すことはできません。
教師は常に学び続け、自己のスキルや知識を磨く必要があります。
教育は固定的なものではなく、進化し続けるものです。
新しい教育方法や学習理論が登場する中で、教師は自らの実践を常に見直し、改善していく反省的実践者であるべきです。
そうすることで、子どもたちに渡すべき知識や技術が常に最新であり、かつ有効であることが保障されます。
4. 教室に物的・心理的「縁側」をつくること
ここでいう「縁側」とは、子どもが安心して学びに向かえる場を指します。
物理的な意味では、学習に適した環境を整えること、心理的な意味では、子どもが安心して質問でき、挑戦できる空気を作ることです。
教師は、教室をただ知識を詰め込む場にするのではなく、子どもたちが自然に学びたくなるような環境、そして自由に自分の考えを表現できる安心感を提供する役割を担っています。
こうした「縁側」は、子どもが自立的に学ぶための重要な土壌となります。
5. 教師自身が自立的な学習者であり続けること
自立的な学習者を育てるためには、教師自身がまずその模範となることが必要です。教師が自分自身で学び続け、成長し続ける姿勢を見せることで、子どもたちはその姿から学び、同じように主体的に学び続けることの重要性を感じ取ります。
教師もまた、絶えず自己の知識や技術を更新し、自分自身を問い直す学習者でありたいものです。
教師が自己の成長に意欲的であることは、子どもたちにも自然にその姿勢を伝え、自立的な学びを促す力になります。
子どもたちは、少なくとも学び続けている教師のことを好きになり感化されるのでしょう。
大人も同様に。
ちなみに、僕が僕が「自立的」を選んで使う理由は、そんなに大きな理由やこだわりはありません(^_^;)
熊谷晋一郎さんが「自立とは依存先を増やすこと」とおっしゃるように、周りに助けられ助ける関係を保ちながら学びを進めてほしいと思うんですよね。
なので、長いスパンを前提に、他者とのよりよい関係の中でも主体的に行動できる姿を強調したいからかもしれません。
もちろん、「自律的」という言葉が示すように、内なる調整や判断を大切にする姿も重要だと思っています。
それも包括する感じかも…。
「自律的」も「自立的」もどちらも素敵な視点であり、使い分けに少し違いがあるだけで、根底にある願いは同じだと思います^_^
子どもたちが自分で判断しながら学びを進めていく姿を大事にしたいものです。