「授業のUD」の視点を意識した実践です。
「視覚化」は授業の本質(ねらい)につながってこそ意味があります。
手法のみに陥らないように気をつけたいものです。
【単元名】 『縄文のむらから古墳のくにへ』
【単元目標】
◯狩猟・採集や農耕の生活、古墳、大和朝廷(大和政権)による統一の様子について、世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して遺跡や文化財、地図や年表などの資料で調べてまとめ、我が国の歴史の展開を考え表現することを通して、むらからくにへと変化したことを理解できるようにする。
【単元計画】(全6時間)
①縄文人はどのようなくらしをしていたのだろう
学習問題「米作りがはじまり、人々のくらしや世の中の様子は、どのように変わったのだろう?」
③米作りは、どのような影響を及ぼしたのだろう(むらからくにへ)
④なぜ巨大な古墳が各地に現れたのだろう
⑤古墳や出土品からどのようなことがわかるのだろう(大和朝廷の支配)
⑥米作りがはじまり、人々のくらしや世の中の様子は、どのようにかわったと言えるだろう(学習問題に対する答え)
【本時のねらいと展開(1/6時間)】
ねらい 縄文人は、協力しながら狩猟や採集の生活を営んでいたことを理解することができる(知識及び技能)
[学習活動1]縄文時代の長さを予想し、発表する。
▶教師のクイズから入り、縄文時代の長さについて予想をする。
T「縄文時代のはじまりを月曜日とし、今現在を日曜日のおわりだとしたら、何曜日までが縄文時代だと思いますか?」
C「水曜日ぐらいかなぁ」
C「半分の木曜日だと思う」
T「実は、土曜日までが縄文時代なのです。
C「ええ、めちゃくちゃ長いんだ!」
C「めっちゃ濃いなぁ」
C「強そう」
T「こんな村に住んでいました」
※縄文のむらを提示する。
[学習活動2]縄文人の活動について話し合う
T「何をしている縄文人だと思いますか?」
※狩りをしている縄文人をアップで提示する。
C「ウサギを捕まえているので狩りをしている縄文人だと思います」
▶〈視覚化〉縄文人をアップで提示することで、縄文人の活動に焦点をあてさせる。
(村田辰明氏の実践を参考に)
T「では、この他に何をしている縄文人がいそうですか」
C「家を建てている縄文人です」
C「木の実をとっている縄文人です」
C「 料理をしている縄文人です」
C「漁をしている縄文人です」等
※再度縄文のむらを提示する。(目に見える縄文人の活動から、考えられることを話し合う。)
T「縄文人の活動やそこから考えられることも話し合いましょう」
C「やっぱり家を建てている縄文人がいました」
C「今とは全然違う家だね」
C「竪穴式住居っていうんだよ。教科書○pに書いてある」
C「中はどうなっているんだろう。今と同じように中で料理とかしているのかな?」C「料理する道具を焼いている縄文人がいます」
C「縄文土器だ。この土器を使って食べ物を煮たりするのかな」
C「保存したりするのにも使っていたと思う」
T「このような土器でした」
※縄文土器の実物を提示する。(なければ資料で)
C「縄文土器はけっこうゴツゴツした形をしているね」
C「縄のような模様があるから縄文土器っていうのかな」
C「ところで縄文人の狩りはいろんな道具を使っているんだね」
C「ほんとだ。弓矢やりや石斧…。木と石でできているんだ」
C「狩りをしているのは男の人ばかりだよ」
C「ほんとだ。じゃあ、女性は…木の実をとったりしているね」
C「しっかり役割分担ができているんだ」
C「他にどんなものを食べたりしていたのだろう?」
T「縄文人の食べ物カレンダーがあります」
※縄文人の食べ物カレンダーを提示する。
C「季節によって食べていたものが全く違うね」
C「夏はやっぱり魚類だ」
C「春は山菜をたくさん食べているんだね」
C「秋は木の実類が多いね」
C「冬は大きな動物類が多いね」
C「冬眠前の動物は栄養や脂がたくさんあってきっとおいしいだよ」
C「縄文人ってすごい。季節に応じて狩りや採集して食べていたんだね」
C「ゴミを捨てている縄文人がいるけれど、食べた時に出る魚の骨や貝殻などを捨てているんじゃないかな」
T「そのゴミ捨て場のことを「貝塚」といって、そこから縄文人のくらしを推定したとも言われています」
[学習活動3]縄文人のくらしをまとめ、〈ふり返り〉をノートに書く
T「みんなが話し合ったことをまとめて縄文時代を大きく一言で表してみましょう」
C「自給自足のくらし」
C「自分たちの力で食料をとっていたくらし」
C「知恵を働かせてみんなで協力したくらし」
C「季節に応じた工夫をしていたくらし」
T「みんなのまとめから今日の授業をふり返り、ノートに書きましょう」
「縄文人は、必要な食料を自分たちの力で協力しながらとっていた。例えば〜。私は〜(解釈)」
▶〈焦点化〉授業の最後に子どもがどんな発言をすればOKかを考え、ねらいを絞っておく。