オンライン授業がはじまり、YouTube動画配信授業ではじめにつくった授業です。
5年生の授業開きにあたる授業です。
オンラインの授業は、リアルな授業との違いを意識しながらつくっています。
今回は、学習で学んだことを元に、さらに発展的な内容に取り組んだり、さらに内容を深めたりできるように構成しました。
授業内容だけでなく、追究方法も獲得してほしいからです。
[ねらい]各国の国旗の意味や共通性について調べることを通して、国旗のデザインには宗教や歴史、願いや理念などが表されていることを理解することができる。
〈学習活動① 国旗クイズに答え、知っている国や国旗を発表する〉
国旗クイズから入ります。大韓民国、中華人民共和国、ロシア連邦の国旗を一つずつ提示し、それぞれどこの国旗か考えさせます。
T「3つの国に共通していることは何だと思いますか?」
と問い、考えさせます。どの国も日本から近い国です。地図帳で確認させ、日本の近くにある国を意識させます。
T「他に知っている国や国旗はありますか?」
と問い、ノートに書かせます。国旗に対する興味関心を少しずつ広げていっています。
〈学習活動② 国旗のデザインの意味について考え、発表する〉
スウェーデン、スイス、ギリシャの国旗を一つずつ提示し、それぞれどこの国旗か考えさせます。
T「スウェーデン、スイス、ギリシャの場所を地図帳●pで確認して、見つけたら赤で○をつけてください」
動画の中で明確に指示を出すことは大切です。指示がなければ行動せずにただぼーっとしていることも考えられます。
T「3つの国旗デザインに共通していることは何だと思いますか?」
どの国旗にも「✚」があることに気づきます。
T「どこに多いと思いますか?」
と促し、地図帳で確認させます。ヨーロッパに多いことに気づきます。
T「何に関係しているのと思いますか?」
自由に予想させます。答えは、キリスト教に関係しているということです。国旗に十字のシンボルが使われているのは、キリスト教徒が多い国となっています。
T「資料集p●の中から月と星が描かれている国旗を探しましょう」
資料集の中にはトルコがあります。資料集にはありませんが、その他、シンガポールやアルジェリアの国旗にも月と星が描かれています。
地図帳で探し、探せたら〇を付けさせます。
T「アジアとアフリカの他の場所にはありません。なぜアジアやアフリカに多いと思いますか?」
説明が多くなりがちな授業動画ですが、発問を入れることで子どもの思考に働きかけます。
難しいので、ヒントを出します。
ヒントは、先ほどと同じように宗教が関係しているということです。
月とい星はイスラム教を表し、イスラム教の広がりとほぼ一致しています。
次に、ホンジュラスとニカラグアの国旗を提示しますが、この国旗を知っている子はまずいません。
しかし、その二つを並べることでその共通点が見えてきます。
二つの国旗デザインで共通していることは、上下に水色の帯があることです。
T「この水色の帯は何を洗わしていると思いますか?」
と問い、二つの国の位置を確認させます。ヒントは、この二つの国の位置です。太平洋と大西洋に面してることがわかります。この二の帯は、太平洋と大西洋を表しているのです。
そして最後に、リビアの国旗提示を提示します。
とは言っても1977年〜2011年までのリビアの国旗で、今は存在していません。
リビアの場所を地図帳で確認し、赤で○をつけさせます。
T「なぜリビアの国旗は緑一色だったと思いますか?」
一見、緑が多いのではないかと考えそうであるが、実はその逆なのです。
リビアは砂漠国なので、緑の多い国になりたいという願いがこめられて「緑」の国旗だったようです。
〈学習活動③ 国旗のデザインに表れているものをノートに書く〉
T「いくつか国旗の意味を見てきました。つまり、国旗には何が表されているといえますか?」
4つの事例を元に、総合的にまとめます。
☆国旗には、(宗教や歴史、願いや理念)が表れている。
例えば〜。
私は〜。
国旗のもつ意味や願いが見えてきます。
「国旗の意味を理解することで、その国のことを少し知ることができますね。国旗にはその国の人たちの想いや願いが込められています。国旗を知るということは、その国の人たちと仲良くなるきっかけの一つなのかもしれません」
と伝えて終わろうとするときに…。
「え、何?日本に似ている国旗がある?どれどれ…」などと言いながら、あたかも子どもたちがつぶやいたような言葉を想定して動画の中で子どもに返します。
そして最後に日本とパラオの国旗を提示し、授業を終えます。
少し、調べて見ようと子どもたちが思うのではないでしょうか。
また、
・動物が描かれている国旗
・植物が描かれている国旗
・竜が描かれている国旗
・人が描かれている国旗
などがあることを紹介すると、子どもたちはさらに興味をもつことでしょう。
興味をもって追究する子どもの姿を楽しみにしたいです。
〈参考文献〉
『中学地理の授業』加藤好一(2014)民衆社