社会のタネ

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154 小学校社会科における思考力・判断力(選択・判断、多角的に考える)

 小学校学習指導要領(平成29年告示)解説社会編22ページでは、思考力・判断力について以下のように明記されています。

 小学校社会科における「思考力、判断力」は、社会的事象の特色や相互の関連、意味を多角的に考える力、社会に見られる課題を把握して、その解決に向けて、学習したことを基に、社会への関わり方を選択・判断する力である。

 小学校学習指導要領(平成29年告示)解説社会編の中に、「選択・判断」する場面は明記されています。

以下の表に整理しました。

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 どこで選択・判断するべきか捉えておく必要があります。

3,4年生に選択・判断する場面が多いのは、地域社会における身近な社会的事象なので、社会への関わり方も考えやすいからです。

 

 一方、表を見ていただたらわかるように、5,6年生になると、「多角的に考える」となっています。

学習対象が広く、テーマが大きくなるので、選択・判断しづらくなってくるからです。

小学校学習指導要領(平成29年告示)解説社会編に以下のように記されています。

「多角的に考える」とは、児童が複数の立場や意見を踏まえて考えることを指している。小学校社会科では、学年が上がるにつれて徐々に多角的に考えることができるようになることを求めている。

まずは「多角的に」それぞれの立場から考えさせるということです。

 

小学校指導要領の中では「多面的」という言葉は出てきません。

しかし、多角的に考えれば自ずと多面的に事象を見るようになります。

「多角的」「多面的」とあまり言葉にこだわりすぎない方がいいように思います。

大切なのは、多角的であろうが、多面的であろうが 社会的事象がもつ多様な側面を多様な角度やいろいろな立場から捉えさせることで、より概念性の高い知識を獲得させることです。

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「多角的」に考えさせるポイントは「主語」を明確にすることです。

「生産者は…」「消費者は…」「情報を発信する側は…」「農民は…」「武士は…」等。

立場で考えさせるのですから当たり前と言えば当たり前ですね。