社会のタネ

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270 「複文型の問い」で問う(「つまずき」シリーズ7)

〈1「複文型の問い」で問う〉

「なぜ〜?」という問いに答えやすくするための手立てが必要です。 

 

そこで考えたい問いは、「複文型の問い」です。

「複文型の問い」とは、複数のものを対比させることによって生まれる問いです。

「Bは〜であるのに、なぜAは〜?」

「Bは〜しているが、Aはどうすればよいか?」

といった形の問いになります。

 

例えば、前回の群馬県嬬恋村の事例で考えれば、

「他の県は春に出荷が多いのに、なぜ群馬県では秋に出荷が多いのだろう?」

という問いになります。 

そうすることで、思考の中心が、春か秋かという「時期」に絞られます。

群馬県が秋に出荷できる理由を考えればいいわけです。

つまり、何を問題にしようとしているのかが明確になります。

ある程度焦点化されるので、「なぜ〜?」という問いに「つまずき」を感じている子も答えやすくなるはずです。

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 複文型の問いについては、『「差異の思考」で変わる社会科の授業』吉川幸男(2002)明治図書.に詳しく書かれています。

ぜひご参照ください。