長洲一二氏は当時(1961年)、「社会科のなかでも経済学習は、おそらくいちばんおくれているのではないだろうか。」と指摘されていました。
そして、本書が発刊されたのは1990年。
同じ指摘が繰り返されています。
今現在も十分とは言えない経済教育。
というか、経済的な視点からのアプローチでしょうか…。
「努力」、「工夫」に重きがおかれ、「もうけ」や「利益」という言葉は敬遠されていました。
もちろんどちらも大切ですが、経済的な視点が疎かになっていたという事実があることは否めません。
今回の新学習指導要領の中では、経済的視点は重要視されています。
経済的な視点からアプローチして公民的資質を育成するために、本書を読み直す意味は十分にあると感じています。