社会科は、学習内容が多く、ややもすると板書する内容量が多くなりすぎかねません。
そうなると、子どもたちは思考することが難しくなり、何が重要な情報なのかも分からなくなります。
また、板書することに必死になって、その他の活動が疎かにもなりかねません。
そうならないようにするためにも板書の構造化が必要です。
ポイントは以下の4つです。
- シンプルにする(単純化)
黒板全体を大きく3分割で考えます。
左側には「学習問題」や「予想」。
中央には子どもたちが「調べてわかったことや考えたこと」。
右側に「まとめやふり返り」「新たな問いなど」を書くようにします。
板書の構造に型をもたせることで、毎回の授業において子どもたちは見通しをもち、安心して学習に取り組むことができます。
もちろんあくまでも一つの型であって、これがすべてではありません。
- 「問い(学習問題)」と「答え(まとめ)」をつなげる(セット)
「問い」と「答え」をセットに考えます。
まとめることが苦手な子がいれば、「問い」に対する「答え」を書くように促すとよいでしょう。
「問い」に答えるための材料(学習内容)も板書されていることが大切です。
- 調べた事実と考えたことを分ける(整理)
社会科では、概念等に関わる知識を獲得させることが大切です。
黒板に、調べて分かる目に見える事実的知識と、考えてわかる目には見えない概念等に関わる知識を分けて書くとよいでしょう。
調べた事実は白色のチョークで記入します。
子どもたちが考えたことは黄色のチョークで記入します。
これを意図的に明示することで、情報の精選が苦手な子が視覚的に大切な情報を選べるようになります。
- 思考過程が見えるようにする(明示化)
社会科の授業は、話し合いを中心にした授業が多いです。
しかし、話し合いはすぐに消えてしまう音声言語を手がかりにします。
話し合いの方向性を見失ったり、思考の筋道が混乱したりしやすいものです。
だからこそ、思考のプロセスを明示する必要があります。
子どもの考えを明示することで、話し合いが焦点化され、それぞれの考えを共有化しやすくなります。
また、線や矢印でつないだり、色で囲ったりすることで、やそれぞれの思考のつながりや関係性が見えやすくなります。