社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

1092 社会科と生活綴方

上田薫(1958)は、社会科と生活綴方の共通点を挙げています。
・生活綴方が子どもの具体的な生活に基盤をおいているということ
・子どもの主体性が確保されているということ
・つねに動く不安定のなかに、そのまま安定を発見するということ
です。
 生活綴方は子供の具体的な生活における問題を手がかりに作られています。その生活の問題を解決しようとする学習を中心にする社会科と近いものがあることは明白です。また、当時の社会科も生活綴方も目の前にある現実、その具体的事実の追究を行うという点で結びつくものがあります。この2つが融合することでさらに深まりを増すものになったのではないかと考えられます。無論、このことは現在でもいえることで、子供達の身近なもの、子供達の本音で成り立つ社会科や作文教育を重要視し、お互いが絡み合い深め合う関係性をもたせなければいけないと考えます。

(上田薫(1958)『知られざる教育ー抽象への抵抗ー』黎明書房