社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

1094 作文的方法

 
東井義雄は「作文的方法」について次のように説明しています。
・一定の形を持たない生命の活動に、形を与えていく方法
・手にとって見ることのできないものを、手にとって見ることができるようにする方法
・容易に覗き視することのできない内面的なものに、この世の光を与えて、だれにでも見えるようにする方法
  教師はこれを手がかりにして子どもの内面に飛び込むことができます。そして、「子どものいのちを磨くこともできる」と東井は述べます。つまり、作文を書くということを通して子どもの見方や感じ方を表現させ、そこから教師は子どもをさぐることができるということです。
 東井の綴方教育は、教科指導にどう作文を取り入れていくのか、教科指導にどう作文を役立てるのかという発想ではなく、子どものものの感じ方や想い、願いや考え方からはじめようとする発想を大切にしていました。
 
〈東井義雄(1957)『村を育てる学力』明治図書