社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

1477 「この子」の学びのストーリー

子どもの様子を記録し、その子の具体的な姿や学びを追ってきました。そうすることで多くのことが見えてきました。
その子の癖。
その子の思考方法。
その子のものの見方。
その子の他者とのつながり方。
その子のこだわり。
大げさかも知れませんが、その子の生き方そのものが見えてくるという感じです。
 長岡文雄(1983)は、次のように述べます。

 

 授業は、〈この子〉のために行うものである。〈この子〉にとって必要なことを企画するのである。ただし、『必要なこと』というと、教師は、とかく、『子どもを偉くするために必要』と意気ごんで、〈この子〉に、無理なことを要求しがちである。それは、『〈この子〉にとって必要なこと』というものをとらえる力が弱いからである。その『必要なこと』というのは、『〈この子〉が、今生きている体制』によって決まるのである。『〈この子〉が何に行きづまっているか、自己を、どう破ろうとしているか』ということから、『〈この子〉の必要としている授業』『〈この子〉に教師が手伝う必要のある授業』が決まってくる。『よりよく生きる』こと、『自己変革』することを求めて、子どもも教師も、問題解決に当たるのが授業である。そこに学習法の深化はある。

 


長岡の言う〈この子〉の学びのストーリーを追い、多面的に〈この子〉のエピソードを語ることが、個別最適な学びの本質を捉えることにつながると感じています。