社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

100 消火栓から地域の工夫を見つける

【ねらい】

消火栓を調べることを通して、地域の気候や地形の条件に合わせて消火栓が工夫されていることを理解することができる。

 

T「これ何でしょう?」

※T—ppで消火栓提示。

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「わかった!消火栓です」

T「日本には、これ以外に違う色や形の消火栓があります。例えば…」

※T—pp提示。

(②丸型)(③地上形)(④長い地上型)

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C「えぇ〜〜!長い!」

T「そう、長〜いですよね」「ちなみにこの消火栓、こんな大きさです」

※T—模造紙で作成した実際の長さのもの(2m)を提示。

『なぜ日本には違う色や形の消火栓があるのだろう?』

※C—予想。

T「では、それぞれの消火栓がどこのものなのか。」

「北海道帯広市新潟県上越市兵庫県宝塚市沖縄県糸満市

※日本地図提示書きこむ

『それぞれの消火栓は、どこの消火栓だと思いますか?1分間でそれぞれ書きましょう。』

※それぞれの地域と消火栓番号を興趣で確認

※考えた後選んだものと理由を自由に発言させる。

(※実際は①が宝塚市、②が糸満市、③が帯広市、④が上越市

T「まず②は…糸満市です」

T「で、一番議論になっていた④ですが…実は…上越市です!」

T「③が北海道帯広市になります」

C「ええ、そうなんだ!」

T「根拠となる資料を見せます」

上越と帯広の気候図提示

T「このグラフのどこを見ればいいですか?」

C「冬に降水量が多い。これは雪」

C「北にある北海道より南にある上越市の方が雪が降っている。どうして?」

T「なぜだと思いますか?」

※C—軽く予想。

T「実はここ、日本一の豪雪地帯です。多いときは5mぐらい積もります。なぜそんなに雪が降るか追究してみてください」

※T—地図上に4つの消火栓を提示する。

T「つまり、何に合わせて工夫をしていると言えますか?」

C「気候です。雪が多い地域は地上式の消火栓。雪があまり降らない地域は地下式の消火栓」

※T—まとめを書く。「消火栓は地域の気候に合わせた工夫がされている」

T「しかしこの消火栓、こんな派手にせずに白や黒でいいのにね」

C「だめです。白や黒じゃ見えにくくなって困ります」

C「色も工夫しているんだね」

T「さて、これ以外の形や色の消火栓、他にあると思いますか?」

C「ありそう!」

T「実は、こんなものもあります」

※T—ppで小樽の消火栓を提示。

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T「この消火栓があるのは北海道の小樽市。全国で唯一ここだけです。」

T「なぜこのように色分けしていると思いますか?」

※C—予想。

T「どうやったらわかりますか?」

C「実際に行く。訊く」

T「今日は訊いてみよう。小樽の消防局に」

T「電話できいてくれる人いませんか?」

T「失礼のないようにしてくださいよ」

※T—小樽消防局に電話をかける。

C「こんにちは。兵庫県○○小学校5年C組の○○と言います。今お時間よろしいでしょうか。社会科の学習で消火栓のことを勉強しています。なぜ小樽の消火栓はいろんな色に分けられているのか教えてください」

※T—携帯のスピーカーにして全員に聞こえるようにする。

(事前に小樽消防局には了承を得ておく)0134-22-9171

C「坂のまちと言われ、坂が多いという理由が元で、配水管が一目で分かるようにと色分けされている」

T「何に合わせて工夫をしているのですか?」

C「気候だけでなく、地形にも合わせている」

※T—まとめを書く。「消火栓は地域の地形に合わせた工夫がされている」

※C—〈ふり返り〉を書く。

T「こうやって気候や地形に合わせて工夫しているものって他にもあると思いますか?そういったものもぜひ追究してみてくださいね」(追究を促す)

 

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〈参考文献〉『小学校社会科板書モデル60』柳沼孝一(明治図書)2014

 

 

以下は、授業後実の子どもたちの追究ノート(自学ノート)の一例です。

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