社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

99 「社会的な⾒⽅・考え⽅」を働かせるための授業(例)

 (前回の続きです) 

yohhoi.hatenablog.com

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 実際の授業づくりにおいて、「社会的な⾒⽅・考え⽅」を働かせるための授業をどのように組み⽴てればよいのか、実践を通して紹介したいと思います。

 

  • 第5学年社会科「都市鉱山からつくるみんなのメダルプロジェクト」

 

【本時の目標】

都市鉱山からオリンピックメダルを作る取り組みについて調べ、持続可能な社会を目指す活動の重要性や難しさについて考えたことを表現することができる。

 

 都市鉱⼭からオリンピックメダルを作製しようとする社会的事象を扱います。 

 まず、「⾒⽅(視点)」は、メダルプロジェクトという社会システム視点の「事業」にあてました。事業について追究することで「なぜこの事業?」「そのよさは?」「⽇常⽣活とのつながりは?」など、様々な問いが⽣じます。

 

 もう⼀つの視点は時間視点の「背景」「変化」「持続可能性」等です。これからどうするべきか、どうなるのかという時間の経過から考えます。「今までと何が違うのか?」「これからどうするべきか?」などの問いが⽣じます。

 

 そして、過去のオリンピックのメダル製作⽅法と⽐較したり、携帯をどのようにしようしているかといった⽇常⽣活と関連付けたりしながら追究をしていくのです。

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 決してオリンピックを学びたいのではありません。オリンピックのメダルプロジェクトという事象を切り取り視点を定めます。そこから持続可能に対する概念(汎⽤的な知識)を獲得させることがねらいなのです。

 

 そして、オリンピックのメダルプロジェクトという社会的事象から得た概念を社会へ戻した時に有効に使えるようにしたいのです。「持続可能な社会を⽬指す取り組みは⼯業⽣産だけでなく、他にもたくさんあるんだな」「いいとわかっていても難しいことが社会の中にはたくさんあるんだな」とみえてくるようになります。「これも持続可能な社会を⽬指す取り組みかな」「これはメダルプロジェクトとある意味同じ取り組みだ」と社会の中で新たに出合う事象の特⾊や意味が⾒えてくるようにしたいのです。そうすることで、またさらに「持続可能な社会を⽬指す取り組み」についての概念がより深くなるのです。