小さな発問を繰り返して子どもの「問題意識」をあぶりだし、興味関心を高めさせることが大切です。
「今日起きてから今まで水を使った?」
「どんなことに使った?」
「どれくらいの量を使った?」
「その水はどこからきているの?」
といった感じです。
今説明したのは、間口の狭い問いです。
一問一答なりますが、このように小さな「わかる」を繰り返すことで参加意欲を高めることができます。
自信にもつながります。
一方、間口の広い問いは答えまでの距離が遠いため、答えにくくなります。
間口の狭い問いで前提となる条件を揃え、その後に「どのように?」や「なぜ?」などの間口の広い問いにつなげています。
5年生「水産業のさかんな地域」を具体例に挙げて説明します。
一本釣りの写真とまき網漁の写真を順番に提示します。
それぞれ何の魚をとっているのかを問います。
子どもたちはイワシやカツオなど、それぞれに答えます。
答えはどちらもカツオ。
子どもたちは驚きます。
そこで、
「なぜカツオは2つのとり方をするのだろう?」
と発問します。
しかし、この発問は間口が広く、答えまでの距離が遠い。
考えさせても勘のいい子だけが答えるということになりかねません。
そこで、間口の狭い問いを重ねていくようにします。
例えば、
「何を使ってとっているのだろう?」
と、道具に着目をさせます。
「どのようなとり方をしているのだろう?」
と、動作化をさせながらとり方に着目させます。
「どれぐらいの量がとれるのだろう?」
と、とれる量に着目させます。
このように、間口の狭い発問を重ねることで、それぞれのとり方の違いが明確になっててきます。
明確になった違いに着目させることで、とり方によって加工の仕方が変わってくることを理解することができます。
つまり、
「なぜカツオは2つのとり方をするのだろう?」
の答えは、目的に応じてとり方の工夫をしているということになります。
小さな「わかる」を繰り返し、小さな成功体験が増える。
それが子どもの自信につながり、楽しんで追究していく子どもたちの育成につながるのです。