社会のタネ

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411 「比較」を通して事象の本質を見る

〈「比較」を通して事象の本質を見る〉

 比較をすることでそれぞれの物事の本質が見えてくるようになります。

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 上図をご覧ください。

よくされる比較は①の低い土地と高い土地のように、特徴ある土地同士でしょう。

しかし、実際の授業では、低い土地か高い土地、いずれかの土地を学習して終わってしまうこともよくあります。

どちらか一方を選択して学習することになっていますが、さらに認識を深めるために、比較を有効に使いたいものです。

 

上図の説明をします。❶の比較は、未知の土地同士の比較となり、自分たちが知らない場所であるがために検証していくことが難しくなります。

自分たちが住んでいる地域との比較、つまり❷のような比較は、自分にとって身近な土地との比較なので、その異同も見つけやすくなります。

つまり、自分の土地を基にして比較することは、子どもにとって安心して安定的に比べることができると考えられます。

子どもたちは常に内的思考として自分たちの住む土地と比較して考えています。

そのように捉えれば、❷の比較は子どもたちが自然と働かせている比較思考なのです。

しかし、その思考には個人差があります。

ですから、社会科授業の中で取りあげて学習する必要があるのです。

学習の中で思考法を鍛えることで、日常的に比較思考を働かせられるようになるのです。

 

❶❷のみの比較にとどまらず、❸のようにすべてを比較する方法もあります。

時間はかかりますが、こうすることで、よりそれぞれの特色を捉えることができます。

 比較対象を広げることもできます。

下図の❹のような比較になります。

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こちらは❶の比較によって得た概念的知識同士を比較しています。

より大きな視点で比較をしているといえるでしょう。

後に詳しく述べますが、「マクロな比較」と呼んでいます。

 

 同じ学習であっても、どのように事例や内容を扱うかによって捉えさせられる概念や認識は変わってくるのです。

❹の比較を具体的に表現すると、以下のようになります。

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