岩田一彦氏(1990)は、教科書の記述内容を活用するための必要な技術の一つとして「記述内容を分析・構造化する技術」を挙げています。
記述内容の分析・構造化とは、教科書に記述されている社会的事象の関係を読み取ることです。
下の教科書記述を例にします。
米作りにおける機械化の様子が記述されている文章です。
その文章の中に見られる社会的事象を読み取ると、次のような構造になります。
このように構造的に見ていくと、次のような「問い」を作ることができる。例えば、
(問1)「なぜ農業機械が取り入れられたのか?」
(問2)「農業機械が取り入れられてどのようになったのか?」
などです。
(問1)で農業機械が導入されることによるメリットとデメリットを学ぶことができます。
(問2)で昔の米作りの様子を学ぶことができます。
このように、教科書記述を生かして、社会的事象間の関係を因果関係として捉えた授業を設計することができるのです。
〈参考文献〉
『社会科教育』No333(1990年2月号)