Iotやビッグデータ、AIなどによって社会が大きく変わってくることを実感している。
もうすでに私たちの生活にも大きな影響を与えているが、自覚せずに変化していることの多さも感じている。
様々な情報を簡単に得ることができるようになっている。
逆に、自分が知らないところで多くの情報を与えていることもある。
このような状況の中で、情報リテラシーについて考えることが重要である。
それと共に、情報によって、自分たちの暮らしに関わる産業について考えることの必要性を感じている。
次の表の内容を見て驚いた。
2007年と、2019年の時価総額のランキングの様子がまるで違っている。
情報産業が台頭し、情報やデータが価値を高め、「データは『21世紀の石油』」と言われる意味がよく分かる。
では、データが産業においてどのような影響を与えているのか。
2017年、小学校5年生社会科授業の中で「スマート農業」について授業をしたことがある。
教材研究では、ドローンによる農薬散布、GPSによる無人トラクターやコンバイン、センサによる水質管理ができる事実に驚いたことを覚えている。
データに基づいて科学的に農業ができる事実に農業の見方が覆された。
授業の中では、「スマート農業」のメリット、デメリットを児童が考えた。
収穫量が増える、時間短縮できる、高齢化問題の解決になるなどのメリットが出された。
逆に、コスト面、コンピュータ操作の難しさ、データ管理の心配などのデメリットも出された。
そして、そこから広がる可能性についても考えた。
「ロボット等だけが働く自動化技術だけにするのではなく、機械と人が共に働く視点で導入を検討するべきだと感じています。私自身も、何でも機械任せにせずに大切だと思うことは自分の目と心で確かめていきたいです」
と授業のふり返りに書いている児童がいた。
情報によって変化する産業や自分のあり方について、吟味する姿が見られた。
情報によって変化する産業は農業だけではない。
販売業、運輸業、観光業、医療や福祉などの産業、挙げればきりがない。
情報やデータをもとに、これからの様々な産業が大きく変化することは間違いない。
これからを生きていく子ども達はこれらの産業がめまぐるしく変化していく中で生きていく。
これから起こりうる変化、行われている現状を知り、これからの自分がどのように情報やデータと付き合いながら生きていくかを巨視的にも微視的にも捉えておくことが重要だと考える。
一つの事例を掘り下げ、具体的に児童が学ぶ機会を設ける必要性を感じている。
〈参考文献〉
窪田新之助(2017)『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』講談社
窪田新之助(2020)『データ農業が日本を救う』インターナショナル新書