生から配布されるようになった地図帳。
下手すると、1年間でほとんど開かなかったということにもなりかねません。
前学習指導要領のときは、はじめて活用するのは4年生の後半、都道府県の学習がはじまるときでしょうか…。
そういう私自身も、ひどいときは一回開いたぐらいで終わっていることもありました。ましてや6年生の歴史学習で地図帳を使うことなどほとんどありませんでした。
子どもに使わせないどころか、教師である自分自身が開くこともほとんどなかった地図帳。
これでは地図帳が泣いてしまいます。
地図帳はとてもおもしろいです。
様々な情報が入っています。
6年生の歴史学習でもしっかりと使えます。
歴史的に有名な場所もしっかりと示されています。
歴史的事象と場所を関連づけて、より記憶を定着させることができます。
そして、よく見てみると、実は大人でも勘違いしていることも多くあるのです。
大人も下田が何県にあったのか知らない人は多いです。
神奈川県だと思っている人も多いようです。
確認して驚くことがたくさんあります。
2014年度版からは、次回開催予定の東京オリンピックの会場予定地も書かれています。
よく見ると、有益情報がたくさんあるのが地図帳です。
地図帳を使えるようになることで学びが深まります。
「地図帳を開いて調べてみたい!」という能動的な姿を求めるのであれば、地図帳を使うことを日常的に習慣化させておかなければいけません。
そして、何より地図帳のおもしろさを子どもたちに感じさせなければいけません。
【地図活用場面】
そうするためにも、まずは教師が地図帳活用を意識しておく必要があります。
3年生の市の学習や4年生の県の学習など、比較的よく使用される場面では問題ありません。
あまり使用することがなさそうな場面でこそ意識しておく必要があります。
地図帳を活用することが実は効果的な場面がどこなのかを各学年で意識しておきたいものです。
例えば、下の表のような場面が考えられます。
3年生の「店ではたらく人」や「工場の仕事」では、近隣にあるスーパーにも、地元だけでなく、様々な地域から運ばれる事実や、工場の部品も日本だけでなく、遠い外国からも取り寄せていることが理解できます。
「なぜいろいろな場所から仕入れているのだろう?」
という問いが立ちます。
それを追究することで、広い視野で物事を捉えるきっかけとなります。
4年生の「ごみはどこへ」の学習では、ごみ処理場の場所を地図上で確認することで、ごみ処理の埋め立て地と人々の生活を関連付けて考えるきっかけにもなります。
5年生の「自動車の生産に励む人々」の学習では、自動車の絵記号の周りには、港や製鉄所、道路や人口も多い場所があることに気づきます。
それらを関連づけることで、「自動車生産が盛んになる条件」を導くことができます。
6年生の歴史学習では参勤交代やペリーの来航等、人々の動きを地図上で見ることで、当時の日本の情勢や人々の思いを読み取ることもできます。
「世界とつながる日本」の学習でも、地図を開いて日本と比べることで、緯度や面積、大まかな地形などを捉えることができます。
【地図帳を活用したゲーム】
地図帳を活用したゲームもあります。
過去の記事からいくつか紹介します。
新学年がはじまる前に、地図帳を有効活用できる準備をしていきましょう!
〈参考文献〉
『社会科の「つまずき」指導術 社会科が面白いほど好きになる授業デザイン (社会科授業サポートBOOKS)』宗實直樹(2021)明治図書